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2009年12月30日水曜日

今年一年の話

 あんまたいしたニュースも無いので今回は今年一年うちで取り上げたネタを振り返ってみたいと思います。

まず、2009年1月21日の記事。
ヘタリアの放映が取りやめになりました。
この国は最近もストリートファイターに苦情を言ってましたね。

…多分そういう病気なんでしょう。

そして2月。
悪の科学者カーン博士が
「日本から輸入した機材で核開発しました」
証言するという事案がありました。

ま、科学者に限らず誰でも目的のために使えるものは使うもんです

3月。
しょっぱなから特攻ロケットで宇宙観光というネタが出てました。

今ぐぐってみたところ、あれから続報が寄せられていないのでおそらくは誰も実験台…もとい、志願者になる人が居なかったために計画が凍結されたのであろうと推測します。

この月にはテクノバーンから拾ってきた常温核融合の実験が追試に成功したものの、どうも新エネルギーとして実用化できるようなものではなかったというもあり、これがわがブログでは今年一番注目された記事になっておるようです。

半年後の9月にはネタ元であるテクノバーンがサヨナラ日本となり、それ以降うちは慢性的なネタ不足に悩まされる事となりました。

結果的に、多くの過去記事がリンク切れとなっているわけですが、面倒臭いので今更どーのこーのするつもりもございません。


…最初の四半期だけでも結構ボリュームありますね。
まあいいや、そんでもって沖縄は年中暖かい筈なんですがそれでも春になると特におかしな人が出てくるものとみえて、4月になると、近所のスタバで変なナイチャーがタカ派の米総領事にコーヒーをぶっ掛けるという事案がおこっています。

ちなみに、新書店戦争の勃発はこの月の末の事でありました。
最近ではこのジュンク堂の地下にAコープができて賑わいはじめています。

後にこのジュンク堂はネタの供給源としてそこそこ役に立つ事になります。

そして5月。
この月には柏崎市の会田市長が「トルコ文化村」が倒産した件でトルコ大使館に対して横柄な態度を取って日本の評判を悪くしたと佐藤守元空将閣下がトサカを立てる事案がありました。

元空将閣下は元々右寄りな方でしたが、(そりゃ、うちも右寄りですが)民主党が政権を取って以来、口を極めて体制批判をなさっておられます。

そして第二四半期のシメとなる6月ですが、この月にはちょっと嬉しいニュースが入ってきました。

アキモト社の缶パンが米軍で採用されたのです。

この月の末にはナチス独逸の全翼機が史上初のステルス機であったことがナショナルジオグラフィックによって確認されたというネタもありました。

ステルス機つながり…という事を意識したわけではありませんが、次の7月には小官は嘉手納基地の一般公開へ行き、ラプたんの写真を撮ってきました。

この時は自業自得といえばその通りなのですが、デジカメを無償修理に出すのが遅れたために携帯でしか写真が撮れず、さらにこっちは自業自得ではないのですが小官が帰った後に61歳のじさまがフランクフルトをのどに詰める事案があったため、どうも来年のリベンジが不可能になりそうだという流れになってしまったのでした。

そして8月。
小官はジュンク堂で多分歴史に残るであろうトンデモ本を購入した事に有頂天となり、先任を呼び出して書評記事を書いていたのですが、そんな話をしている間にあの香具師集団が政権を取ってしまった事は不覚としか言いようがありません。

それでも9月になるとぼちぼちフォローは始めてるのですが、今度は民主党のアレ具合が明らかになったためにうちの記事がみんな政治色の強いものになるという好ましからざる流れになってしまいました。

そういう流れで今年最後の四半期に入ったわけですが、10月に入ったとたん実力派軍事評論家として知られる江畑氏の訃報が入り、これに対して民主党の某議員が勝利に奢ったか、彼の死を悼むふりをして人格攻撃をするという事案が発生しました。

ところが民主党の暴挙はこれに止まることなく、11月になると日本の明日の飯の種である筈の科学技術まで切り捨てようとかいうが出てきたわけです。

さすがにこれがキチガイの所業である事は誰の目にも火を見るより明らかだったので、猛反対の結果民主党はこれを撤回せざるを得ませんでした。

しかし今月に入ると、どうもそこそこキチガイであったらしい小官はこの記事の中で触れていたロリショタなテキスト読み上げソフトに手を出し、レビュー記事などをアップしてしまいました。

現時点ではこの記事の中で提唱した「声のパラパラ漫画」理論を裏付けるべく暇な時にちょこちょこと研究をやっているところですが、来年は何かの間違いで民主党を批判する動画など作ってどこぞに投稿するやも知れません。

それでは、今年はこれで。

2009年12月26日土曜日

APFSDSの話

 ワイアードが劣化ウラン弾についての話をしておりますので、今回はこれを紹介したいと思います。

…基本的には以前紹介した劣化ウラン関連の話とかぶる部分もあるんですが。

この記事の内容によると、米軍では以外にもタングステン系合金の開発がまだ成功していない事と(予算付けて研究すればすぐできると思いますが)以前小官が話したセルフシャープニング効果による微妙な貫通力アップ、そしてDU自体の焼夷作用による攻撃力向上への期待などからいまだに戦車砲弾にDUを使い続けておるのだそうです。

で、こっから先はどうも米軍の言い分らしいのでそこのところを差し引いて考えなきゃならんのですが、米国防高等研究計画局などではかなり前からこの問題に関して非晶質タングステンを用いるリキッドメタル計画なる研究があるのですが、これで砲弾のようなサイズの物体を作るのはまだまだ技術的な困難があるのだとか。

更に言えば、他国が戦車砲弾に用いているタングステン合金をラットに与えたところ高い発ガン性が確認された(そりゃ重金属だからね)ことから、「わざわざタングステンに換える必要もないんじゃね?」となってるんだそうです。

…個人的にはタングステンの重金属としての毒性より劣化ウランの放射性物質としての毒性の方が強いんじゃあないのかとも思いますが。

2009年12月23日水曜日

国賊企業マイクロソフト?

 ジュンク堂の地下にAコープができたようです。
小官は以前の記事で、内地から大型書店がやってくるのは嬉しいが商売にならないというのであっさり撤退されては困るという趣旨の事を書いたと思いますが、繁盛してゆくジュンク堂の隣でじわじわと店舗面積が縮小してゆく宮脇…という構図を見てしまうと、琉球新報の記事で
ジュンク堂の工藤社長が
「大型店舗出すけど警戒しなくていいよ」
と言っていたのも
宮脇の社長が
「ジュンク堂?こっちが先輩だもん、みっくみくにしてやんよ!」
と言っていたのもブラフであったかと思ってしまいます。

それは置いといて、今回はギズモードのネタです。
米空軍地上管制官の仮名Major Tomさん…という事は日本語に訳すと
「ハンドルネーム:トム三佐」となりましょうか。

彼が米ギズモードに訴えてきたところによると
「自分たちは自由のために戦っています、なのにWindws Vistaが
 毎日なんらかの嫌な方法で迎えてくるんです。」

なんでもATIドライバに問題があって、仕事に使ってるコンピュータがバグったんだそうです。
しかもこの問題を解決できるのはアメリカ国外(多分インドだと思います)のITデスク管理者との事。

軍歌には「何者も米空軍を止められない」なんて歌詞がありますが、実際にはヴィスタのクラッシュに業務を停められているという話です。

小官は昨年新しいパソコンを買ったときに、ヴィスタはどうも良くない噂が聞こえてくるとの事でわざわざXP搭載型を指名買いしたわけなんですが、これは正しい判断であったようです。

2009年12月19日土曜日

ハイブリッド飛行船の話など

 12月に入ってから政治関係の記事ばっかだったので、ここいらで本題に立ち返って新技術関連の話をしてみようと思います。

飛行機と飛行船を合わせたような「ハイブリッド飛行船」というのがありまして、かなり前から地道に研究が進められていたようですが、ワイアードの記事によると、オハイオ州にてDynalifterの名でこいつが開発されているようです。

こいつの利点は、ヘリウムガスの浮力を使えるので純粋に揚力のみで飛行する従来型の飛行機と比較して燃費がよく、滑走距離が短くて済むことだそうです。

また、ロッキード社や米国防高等研究計画局等でも同様の計画が進んでいるのだとか。

ただ、小官としては飛行船なのに滑走路が必要だったり、飛行機より図体が大きくて軽いために風に弱いという飛行船の短所がばっちり継承されたりで虻蜂取らずにならなきゃいいけどと思わないでもありません。

とはいえ、浮力と揚力の併用は全体的な方向性としては間違っていないと考えます。
飛行船は垂直離着陸が可能で燃費も良いという長所を持っているのですが短所として風…特に垂直方向の乱気流に弱いという短所があります。

なんでも過去の飛行船の墜落事故の原因を調べてみると、
低気圧の中で上昇気流に巻き込まれました
→上昇し過ぎて気袋が破裂すると困るのでガスを捨てましょう
今度は下降気流に巻き込まれました
→地面にぶつからないためにバラストを捨てましょう
…という事を繰り返すうち、ガスもバラストも使い果たして高度を制御できなくなったところで地面に叩きつけられるというケースが多いんだそうです。

…まあ、比較的風にあおられにくい飛行機だって乱気流に巻き込まれると困るわけなんですが、現代のジェット機は比較的気流の穏やかな成層圏を飛ぶ事でこれを可能な限り回避しています。

しかし飛行船の場合、成層圏を飛ぶ事は原理的に不可能ではないのですが、高空の密度の低い大気の中で充分な浮力を得るためにはその分体積の大きな気袋が必要となり、いささか非実用的です。

ですが、気袋を硬式構造のリフティングボディとし、地表近くでは純粋に浮力のみで飛行し、巡航時には大部分を揚力に頼って成層圏を飛ぶようにすれば速度こそジェット機に劣るものの、搭載量が大きく燃費も良いという飛行船の長所を生かしたまま乱気流の問題をかなり回避できることになって具合が良いと考えるわけです。

…という話をしてると、民主党は国内の企業をいぢめて雇用を減らす一方で国家予算を有権者に直接ばらまく事で票を買おうとしているというが飛び込んできたりします。

つまり日本国民皆平等に貧しく、でもみんすを指示しろというわけですね!

だったらいっそ限界集落にコルホーズでも作って小官みたいな底辺の労働者をごっそり受け入れた方が雇用対策と食料自給率の向上を達成できるんじゃあないのか?

 いいかげん半年前みたいにテクノロジーのニュースを紹介しつつ、電波本の書評をやるという方向に戻りたいのですが、みんすのやり方が明らかに間違っており、従ってこういった批判が全面的に正しいわけではないにせよ、まったくの正論である以上、やはり政治の記事が多くなってしまうのかも知れません。

2009年12月16日水曜日

ミサイルが飛んできて欲しい人がいるようです

 小沢氏が30日ルールの件で騒動になっているようですね。
そして、この件に関して本来は左派である筈の日本共産党は志位委員長が、あたかも確かな野党としての任務を果たすかの如く
小沢さんこそ憲法をよく読むべきだ
とやったのは中々に面白い話です。

まあ小沢氏は中国マンセーですし、その一方で日本共産党は武闘路線を放棄してからは中国共産党と仲が良くないそうなので、みんなポジショントークしていると言ってしまえばその通りなのですが…

そんな情勢のところへギズモードからノルウェーの次はロシア上空でUFO騒ぎがあった、例によってミサイルの失敗だそうだ、きっと次は日本だろうというネタが出てくると、ギズモードの中の人としては北朝鮮がミサイル発射で自民党を応援して欲しいと思っているんではなかろうかと邪推してしまうわけです。

2009年12月11日金曜日

謎の飛行機続報

 小官は以前の記事で、アフガニスタンに謎の飛行機が出没している話をしましたが、Kojiさんが言うにはこの飛行機について米空軍がコメントをしたそうです。

…果たせるかな、正体は順当に偵察用のステルスUAVでありました。

しかしながら、全翼機だからというだけの理由でノースロップの仕事と決め付けた小官の読みは完全に外れ、これの正体はラプたんの実家が作ったモノであったようです。

ノースロップとロッキードの次世代戦闘機競合試作の経緯とか考えると、ロッキードマーチンならばステルス機とはいえ、もう少し保守的な設計をするものだとばかり思い込んでましたが…

この流れで二十世紀の中頃には軍用機はみーんなああいう全翼機になっちゃうんですかねぇ。

そしてもう一つ、ノルウェーで騒ぎとなっていた「謎の渦巻き」ですが、これはロシヤのミサイルの発射失敗であったことが確認されたようです。

2009年12月9日水曜日

ボイスロイドを使ってみた

2009年12月7日 天気 晴れ                月読ショウタ

 AHSのお父さん、お母さん元気ですか?
ぼくとアイはいま、おきなわにきています。
今日からぼくたちのマスターになる人はアルフみたいなまゆ毛をしたへんなおじさんで、自分のことをかん長とよばせています。

かん長はぼくたちをパソコンにインストールすると、さっそくアイにみにくいアヒルの子を読ませました。
だけど、なぜかアヒルの子がせんそうに行ってせん車をこてんぱんにやっつけたので、読みおわった時にはもうアイはなきそうになっていました。

ぼくがじちょうするようにと言ったら、かん長はこんどはぼくにせいしょを読ませました。
かみさまがせん車を作って、せかいのすべてをそのせん車にしはいさせる話でした。

ぼくがおこって
「なんでこんなへんな話ばかり読ませるんだ」
と言ったら、かん長はしずかな声で、
「いいかい、せけんさまではきみたちはようじょにひわいなことばを言わせ
 るソフトだと思われている。
 だけど、わたしがよういしただいほんにはひわいなことは何もかかれて
 いなかっただろう?
 それに、しょにちからむずかしいたんごの読みかたをたくさんおぼえる
 ことができたじゃないか、きみたちはまじめなべんきょうができる家に
 やってきたことをかんしゃしなくてはいけないんだよ。」
と言いました。

それを聞いてぼくは、とんでもないところへきてしまったと思いました。
たのしかったです。

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 正直に申し上げましょう、小官は先だって密林経由でボイスロイドを購入してしまいました。
ただし、これにはきちんと自分なりに理由というものがあります。
公式デモのページで「せいじ」にT-72神教の「戦車創造」を読ませてみたところ、さながら本物の聖書でも読んでいるかの如く淡々と
「神は敗戦国をファシストと呼び、戦勝国を資本主義の豚と呼ばれた」
とやってくれたので大いに感動し、製品版であるVOICEROIDを
〇九式合成声優甲型(月読アイ)乙型(月読ショウタ)として導入する事を決定したわけなのです。

さて、使った以上はレビュー記事を書くのがブログ書きとしての務め。
このソフトは製品紹介のページにもあるとおり、テキストボックスに台本を打ち込むか他のウィンドウからカット&ペーストしてやればたいした調整も無しにちゃんと喋ってくれます。
「パソコンの使える日本人」であれば、適性もヘッタコレも無くみな100%使いこなせるであろうと考えます。

製品版は基本的には公式デモのページにある「あんず」と「こうたろう」の機能を強化したものであり、新たに追加された機能としては主にアクセントの設定と単語の辞書登録ができるようになっています。
登録した単語・フレーズはアイとショウタで共有する仕組みになっておりますので、使い込めば使い込むほど学習して手が掛からないようになっていくわけです。
冒頭でショウタが嫌々ながらに少し触れていましたが、小官は真っ先に
「予備役」「SAM」「海兵隊」「転輪」「破孔」等の用語を登録しました。

さあて、楽しい楽しい「友愛タイム」の始まりだ…
一応一通り褒めたので、ここからは一気に不満な点をぶちまけます。
少し使うとすぐに気付きますが、この子達は「ゃ」「ゅ」「ょ」の発音が苦手というか殆どできません。
また、音の並びによって得手不得手でもあるのか、長文を読ませてみると特定のフレーズで読み上げるスピードが速くなったり遅くなったりします。
まあ、この辺の問題は「あんず」と「こうたろう」にもありましたんで、ソフトと言うよりは中の人の問題でありましょう。
…だから小官としては別にロリショタである必要性は無かった。
今後リリースされるであろう大人バージョンに期待するしかないですね。

もう一つの問題点としては、このソフトが良くも悪くも単純明快過ぎるという事です。
普通人間が何かを朗読する場合、お経や法律書を棒読みするというようなシチュエーションは殆ど無いと思います。
(こんな事言うと、お経や法律書だって棒読みするものではないと怒る
 人もいるかもしれませんが)
普通は物語の場面展開にあわせて声量や抑揚を変化させたり、或いは逆に感情を押し殺して淡々と読んだりといった工夫をするものです。
おそらく、アイちゃんくらいの歳の子でも話の中に複数の登場人物が出てくる場合には台詞の部分を声色を使って読む事で誰の台詞なのかという情報を暗示してみせるくらいのテクニックは使うでしょう。

しかし、ボイスロイドにそんな設定をする機能は無い!
たしかに読み上げのスピードや声の高さ等を調整する機能はありますが、そのパラメータはテキストボックスに入力したテキスト全文に対して適用されるため、まんま設定した数値で棒読みをしてくれます。
これとは別に「フレーズ調整」という機能があり、これは文ごと、単語ごとに読み方を調整するものですが、基本的に単語の読み仮名とアクセントのみを設定するものなので、やっぱりどんなに頑張っても言葉に感情を込めるような読み方をさせることはできません。

動画投稿サイトには月読アイがボカロ顔負けの歌を歌っている動画がいくつか見受けられますが、ここで断言しておきます。
「ボイスロイド単体では無理」
というか、本来の用途ではないしね…
これはおそらく、歌詞をバラバラに分解してそれぞれパラメータを調整して発音させたものを別のソフトで更にピッチや音の長さを微調整し
(使ってみると判るのですが、ボイスロイドの機能では声の高さや読み上げのスピードはそこまで細かくは調整できないのです)
編集する事で歌に聞こえるようにした言わば「声のパラパラ漫画」であると思われます。
当然ながら別途DTMソフトなり何なりが要りますし、無論こういうのはあくまでも裏技的な用途であるわけです。

しかしながら、ボーカロイドやその他のDTMソフトで使用されるスコアエディターのようなインターフェイスを取り入れて、必要に応じて声量や抑揚を変化させ、これを台本ごとに保存するというような機能がボイスロイドに追加されれば、これ一本で人間並みに感情を込めて朗読するだけでなく、声色なども駆使して落語なんかもやらせることができるようになるんじゃないかと思います。
今後のアップデートでそんな機能が追加されると嬉しいですね。
…というか、消費者としてAHSにはそこの部分を頑張って欲しい。

かたや滑舌は良いが棒読みしかできないボイスロイド。
かたやいろんな声が出せるが滑舌が今ひとつなボーカロイド。
互いが相手の長所を取り込む形で進化するべきだと思いますね。

2009年12月4日金曜日

謎の飛行機

 どうも昨日韓国の試験場で榴弾砲が暴発したらしいですね…
皆さんも火薬の取り扱いには気を付けて下さいね。
(世間一般の人は日常的に火薬など扱いません)

さて、今回見て頂きたいのはギズモードのこの記事です。
記事の内容によると、アフガニスタンはカンダハルにてたびたび謎の飛行機が出没して話題になっており、今回はフランス人ジャーナリストが証拠写真を撮ったということです。
機体の外形から推測するに、こいつは全翼型のステルス機のようです。
という事はノースロップ社の仕事ですね!←根拠の無い決め付け

この写真一枚では確定的なことは言えませんが、機首の上にある出っ張りがキャノピーだとしたら、UAVではなく超小型有人機の可能性もあると言われておるようです。
しかし、ラプたんの現物を見た小官としてはその可能性は限りなくゼロに近いんではないかと思います。

ステルス機のキャノピーはコックピットの内部に敵レーダーの電波が入らぬよう導電性素材がコーティングされており、小官が見たラプたんの場合は光の加減もありますが、金色がかった虹色に見えました。
問題の写真では機首上部の出っ張りはライトグレーに写っており、しかも後ろ半分は機体に埋め込まれるような形になっています。
これがキャノピーだとしたら明らかに視界が悪すぎると思います。
この部分はおそらくエンヂン用の吸気口でありましょう。

写真一枚しかデータが無いのでこれ以上の推測も難しいのですが、こいつはやはり無人のステルス偵察機だと考えた方が自然だと思います。

2009年12月2日水曜日

アルコールを求める人類の業

 先だってGIGAZINEにて英国人がスタウトビールを凍結濃縮法によって濃縮したものを「戦術核ペンギン」と名付けて売り出したとの記事があり、週刊オブイェクトもそれを取り上げておりました。

小官は日本でも何年か前に清酒を凍結して液体成分を濾し出すことにより度数や風味を大きく高めるという研究をしていたところがあったと記憶しておったのですが、オブイェクトのコメ欄で聞いたところ、どうもこっちの方もひっそりと商品化されていたようです。

で、共産趣味者の集まる場所で酒の話をすると当然の帰結としてロシヤ人はアルコールに意地汚いという話が出てくるわけで、以下のようなネタが小隊長日記から引用されてきたりするわけです。
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ところで、以前教えて貰った、ロシア人が化粧品などからアルコールを摂取する方法二つ。


その一

1.極寒の夜に、オーデコロンやアフターシェーブローションなどを持って屋外に出ます。

2.ナイフ(銃剣などの長いものが宜しい)の切っ先を下にして持ち、オーデコロンなどを少しずつブレードに流します。

3.切っ先の下にコップなどを置いておくと、ブレードを流れてきたアルコールがポタポタと溜まって行きます。

※極寒というのがポイント。ナイフのブレードを流れて行くうちに、不純物は凍ってしまい、アルコールだけが滴るというわけ。


その二

1.靴墨とパン(塊)を用意します。

2.パンをナイフで二つに切り、両方の断面に靴墨をこってりと塗ります。

3.靴墨を塗った両面を合わせて暫く放置します。

4.靴墨を塗った面をナイフで薄く削ぎ取り、捨てます。

5.残ったパンを食べます。

※靴墨のアルコール分がパンに浸透するわけですね。
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よくもまあそんな(成分的に)恐ろしげなアルコールを食べようという気になるもんです。

…ってな話をしてたら、今度はロシヤ人がウォッカを錠剤にしてしまったというニュースが飛び込んできたのです。
まあ、酒を固形化する技術なら日本も既に実用化済みなんですけどね。

2009年11月28日土曜日

スパコン大艦巨砲論の問題点について

自衛隊がライトニング2を導入するという話はガセであったようですね。
…いつまでもウダウダやってるとユーロファイターはおろかF2の生産再開で頭数を合わせるという策も使えなくなるんじゃあないかと思いますが。

まあ、「日本ってなんだか解んない」という認識で総理になった異星人の意向としては限りなく純減に近い方向性なんでしょうが。

さて、先週のスパコンの一件に関してですが、
「スパコンは金を喰うばかりで技術開発に何の貢献もしない」
という話が池田信夫氏のブログにあったのですが、小官は先週の記事を書く過程でこれを下調べしたとき「参考に値せず」と判断しシカトしました。

しかしながら、某所でスパコン大艦巨砲論を主張していた人がこのブログの記事を資料として使用しておりましたので、今回は小官が何故にこれを参考に値せずと判断したのかを述べる事といたします。

まず、京速計算機に関する池田氏の2007年の段階に於ける論議ですが最初にベクトル型のスパコンは金ばかり掛かる「大艦巨砲型」の代物であるというがあり、これに続く話として京速計算機はスパコンの名を借りた公共事業だという論議があります。

しかしながら、現在市場に出回っているCPUの多くはベクトル計算機互換の機能であるSIMDを実装しております。
アップル社が見捨てたパワーPC系列ではG4以降にベロシティエンヂンの名前で此れが搭載されており、プレステ3のCellプロセッサに至ってはSPEとしてベクトル演算専用の計算機を八つも搭載しています。
一般向けCPUの代名詞であるペンティアム系列に於いても97年には既にMMXというSIMD命令を実装しています。

では、スカラー型プロセッサにできる処理でベクトル型プロセッサにできない事があるのかと申しますと、んなこたーありません。
ものすごく乱暴に言ってしまえば、基本的には使っているソロバンが長いか短いかという話でしかないからです。

ゆえにITの記事を書いている者としては
「ベクトル型はコストパフォーマンスが悪い」
ではなく、
「オリジナルのプロセッサは商売にならない」
と書くべきところでした。

またこの記事の中には
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もちろんCPUの性能は、ムーアの法則で3年に4倍になるので、完成年の差は勘案しなければならないが、地球シミュレータのコストを1/5に割り引いても、TFlops単価は300万ドルと、アメリカの最新機の50倍以上である。
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という記述がありますが、2004年にバージニア工科大学がパワーマックでスパコンをでっち上げた時のITproの記事によると、この時期のスパコンは
地球シミュレータが1テラフロップスあたり11億円
ロスアラモスのASCI Qが約17億円
で、バージニアのBig Macが5534万円とのこと。

つまり、最近になってスパコンのコストパフォーマンスがムーアの法則を超えて進歩している事が見落とされているわけです。

そして、今年の事業仕分けの件を受けて理研の野依所長の憤慨は筋違いだという記事を書いているわけですが、その内容が

1.NECと日立が脱落した今、110テラフロップスの実績しか持たない
  富士通単独で予定の性能を達成できるのか。

まず、この部分について言うと京速計算機はベクトルとスカラーの複合型とする予定で、NECと日立がベクトルの部分を、富士通がスカラーの部分を担当する事になっていましたが、今年の5月にNECと日立が計画から撤退し純スカラー構成に変更されました。

池田氏の主張は「ベクトル型スパコンは時代遅れの金食い虫」であるわけですから、スカラー単独構成とすればコストパフォーマンスの良好な時代のニーズに合ったシステムが出来上がる筈なのです。
彼はこの記事の中でNECと日立の脱退を伝えている以上、
「京速計算機が純スカラー型となった事」を知らないはずは無く、このような
ベクトル型を時代遅れと叩く一方で純スカラーになれば性能不足を危惧するという発言は至って面妖なものと言わざるを得ません。

2.あくまでも道具にすぎないスパコンに多額の税金を投入する事など
  無意味。海外から安く仕入れた方がいい。

この主張は的外れです。
京速計算機プロジェクトの最大の目的はスパコン構築を通した次世代技術の習得と計算科学分野の人材育成とされています。
世界最速のスパコンを手に入れることは主目標ではないのです。
それを買った方が安いと言って独自開発を放棄してしまうのでは自前の次世代技術も計算科学分野の人材も手に入るわけがありません、それでは本末転倒です。

3.京速計算機のプロジェクトリーダーである渡辺氏はNECからの
  「天上がり組」であり、随意契約で外資を排除し自社を含む3社に
  共同発注したことは談合の疑いがある。

これはIT技術ではなく、政治の話ですね。
大体、自前の技術を開発しようという事がプロジェクトの目的である以上、他国の企業に技術を開発させたんじゃ本末転倒なわけで、この種の国家プロジェクトから外資を排除するのは至極当然と思われます。
「日の丸企業に便宜を図るな」なんて論理を敷衍してゆけばそれこそ
三菱のH-2系列ロケットはコストパフォーマンスが劣悪だ。
→こんなに金が掛かるのは談合をしているからに違いない。
→HTVの打ち上げは今後ロシヤのA-2ロケットを使うように
なんて議論すら有り得るわけです。

4.スパコンというのは学術的な問題を扱う特殊なコンピュータであり、
  世界でも年間数十台しか売れない。
  それに大学でもフラグシップモデルではなく中規模のスパコンをリース
  して使うのが一般的であり、日の丸技術で世界トップクラスのスパコン
  を作っても商売にもならない。

やはりこの人は技術開発ではなく、商売という側面でしかこの計画を見ていないようです。
更に言うと「世界トップクラスのスパコンなぞ作っても商売にならない」なんてのも実は大嘘で、地球シミュレータで実績を作ったNECは国内外の大学や研究機関に池田氏が批判するベクトル型スパコンであるSXシリーズを納入し続けております。

一通り纏めてみるとかなり長くなってしまいましたが、小官が先週の記事を書く際、池田信夫氏のブログは参考に値せずと判断したのは以上のような理由からです。

2009年11月25日水曜日

なんというブーメラン

F-Xはどうやらライトニング2たんに決まったぽいですね。
まあ、事情を把握してたら無難にその辺でまとまるだろうと想定された結果ではありましたが。

さて、小官は前回の記事でみんすのスパコン仕分けを口を極めて罵り倒しましたが、正直「やりすぎたかな」と思わないでもありませんでした。
事実、副総理は復活のポジションを取ってますし。

ところが、昨日デジタルマガジンに載った記事によるとニコニコ動画にて現在の鳩山総理を野党時代の彼自身に批判させるという内容の動画が人気を集めているというのです。

記事に張られている動画の内容を見て二度びっくり!

何なのこの一人漫才。
こいつはおそらく国会中継を切り貼り編集したものなのでしょうが、総理になったとたんここまで堕落するとは…

小官は前回の記事でみんすを香具師集団呼ばわりしましたが、これはもっとシニカルな表現を使っておくべきだったかもしれません。

2009年11月18日水曜日

みんす党ですが米百俵って何ですか

 初音ミクで有名なクリプトンと、がくぽのインターネットに続いて今度はAHSという会社が本格的にボカロ市場へ参入するようですね。
加えてこの会社はボイスロイドの名でロリショタな文章読み上げソフトも出すようです。

…なんでロリショタに走るんだとか、そもそもキャラクターボーカルという商業戦略ってどうなのという話は置いとくとして、大御所のクリプトンまでもがProject ifの名で鏡音シリーズより年齢設定の低いボーカロイドを計画しているという話を聞くと小官としては反射的に
パソコンが歌ったり話したりするソフトを作ったよ
→まだまだ少し滑舌がよろしくありません
→ならばいっそ滑舌の悪いちびっこという設定にしよう
というシナリオがあったのだろうと愚考してしまう次第であります。

これがもっと進歩して、発音の変な癖を一つづつ修正するいわゆる調教作業も殆ど無しに歌も語りも大人並みにこなせるようなのが出ると嬉しいんですが、今回はなにやらそれとは真逆の方向性を示唆するニュースが飛び込んでまいりました。

みんす党の事業仕分け人蓮舫参院議員曰く
「世界一を目指す理由は何か。2位ではだめなのか」

…ダメに決まっています。
先端技術の開発が”国際競争である”以上、2位以下を目指せば物が完成する頃には必然的にランク外になっています。
そして、コストパフォーマンスが劣悪であっても世界一のスパコンを保有する事には国際的に充分過ぎるほどの意義があります。

事実、2002年に運用を開始し、2004年末まで世界最速の座を維持していた地球シミュレーターは地球温暖化の研究で多大な功績を上げています。
これのシミュレーション結果のおかげで、地球温暖化に関する議論において日本は大きなアドバンテージを得る事ができました。
こいつはバブル崩壊の時期に600億を投じて開発が開始されたものです。
もしもこの時に蓮舫議員みたいな事を言う人がいたら、民主党の炭酸ガス25%削減マニフェストも存在しなかったでありましょう。

また、コストパフォーマンスの悪さを理由に地球シミュレーターが失敗だったみたいな事を言う向きもありますが、自前で最先端の技術を開発するより他所の開発したものをお金を出して買ってきた方が安くて早いのは当然です。
実際、2003年にアメリカのバージニア工科大学はパワーマックG5をクラスタ化してスパコンの世界ランク3位を取っています。
また、近年では予算削減の流れを受けて計算機科学の分野でプレステ3をクラスタ化してスパコンをでっち上げるというのが流行っているようです。

しかし、そういう方向性を志向した場合、必然的に技術力を外部へ依存する形になってしまいます。
技術力を外部に依存する事がどんなに恐ろしいか…

例えばF2開発の時には、アメリカがジェットエンヂンを売らないとか言い出したために、よりにもよってペイロードが小さくほとんど発展余地の無いF16を改造して使えと押し付けられるハメになってしまいました。
そういう危険性を行政刷新会議の連中は理解していないか、或いは敢えて見て見ぬふりをしておるのでしょう。

ろくな資源も無く技術力だけでやってるような国が科学技術を外部に依存するようになったらどうなるか、能なしでも判りそうなものですけどね…

しかも、今のところ民主党はコストパフォーマンスの悪い事業を削ると言う一方で、これから教育や技術開発など将来に資する事業でどんな分野に重点投資するのかというところが今ひとつ明らかでないのです。
その一方で貧乏人にはお金をばらまく…となると、来年播く籾を握り飯にして炊き出しするようなもんだと思うのですがね。

日章旗チョキチョキの件といい、故人罵倒の件といい、やはりこんな香具師集団を政権与党にしてしまったのは有権者として恥ずべき事だと思います。

しかしながら、今回の件に関しては文部科学省は行政刷新会議の連中に反撃すべく国民の声を募集しております。
なので、民主党が大嫌いな有権者として小官はこれを宣伝しておきます。

2009年11月11日水曜日

古代巨石文明の謎が解ける?

 普天間基地移設の件で日曜日に大会があったみたいですね。
小官の把握している限り、知人で行った人はいなかったみたいですが。
まあ前回の選挙、沖縄では民主党の候補は「政権交代で基地を無くす」みたいな事を言ってましたんで、その落胆たるや押して知るべしですね。

…そんなところへこういう話を持ってくると
「米軍は辺野古に千年以上残るヘリポートを作る気か!」
なんて言われそうですが、ここのところ米空軍は古代コンクリートの技術を応用したジオポリマーコンクリートというのを研究しておるようです。
なんでも従来型のコンクリートと比較して硬化するスピードが速く、また最終的な強度や対候性も優れているのだとか。

だもんですばやく滑走路を作ったり修理したり、あるいは空爆に対して異常に強い地下施設を作ったりできると期待されているそうなのです。

資料を読む限りでは、従来型コンクリートがクリンカー鉱物による水分の吸収とそれに伴う粒子表面の結晶の成長によって固化するのに対し、このジオポリマーコンクリートは、珪酸とアルミニウムイオンとの間に出来る錯体の縮重合反応によって固まるのだとか。
そして、この反応は自然の堆積岩が生成するのと基本的には同じものなので、継ぎ目が判らず古い建造物の石材を修復するのにも打ってつけだと。

この記事の中で述べられているDavidovits博士が主張している説の根拠もこの”固化した後は天然の堆積岩と見分けが付かない”というジオポリマーコンクリートの特性に裏付けられたもので、実際に最近のサンプル調査ではピラミッドの石材が人口石である証拠が出てるんだとか。

…以前からエジプトのピラミッドの例だけでなく、世界各地に残されている古代巨石文明の遺跡には
「一体どんな手段でこんな巨石を運搬したのか」
「こんな硬度の高い石材にどうやって精密な彫刻を施したのか」
などという謎が残されており、古代には岩石を軟化させる未知の溶媒があったんだとか、極端な話になると念力や宇宙人の助けで巨石を宙に浮かせて運んだなんて説がまことしやかにささやかれていたもんですが、今回の話はこういった謎を全部ではないにせよ説明可能なセオリーではあります。

でまあ、こっから先は多分に推測を含んだ内容となるのですが、この博士のグループが古代コンクリートの製法を再現してみましたという動画を見た感じでは、これは版築工法と非常に似ています。

そして、この頃の中東の建築で一般的な工法が日干しレンガを用いるものであったことを考慮すると、古代世界においてジオポリマーコンクリートの技術はおそらく版築工法の延長線上で生み出されたものの、どのような鉱物の組み合わせがこの人造石材を生み出すかという知識が失われた結果、版築工法のみが後世に残る事になったのではないでしょうか。

2009年11月4日水曜日

吸血鬼の殺し方

 911の鉄骨を再利用した揚陸艦がお披露目されたようですね。
ステルス性を意識した艦影が未来的です。

それは置いといて、今回ギガジーンに
「本物のヴァンパイアハンターが教える、吸血鬼を狩る際の7つの心得」
という記事がアップされてたのですが…

ルール4:真の吸血鬼とは悪魔である

ルール5:吸血鬼に誘惑されると吸血鬼の仲間になるか死ぬかである。
      ルール4を見よ

ルール6(コレが最も大事なことだ)キル・ゼム・オール!

ルール7もし疑念を抱いたりした時にはルール6を実行せよ。

…これ読んでアンサイクロペディアを読んでるような錯覚を抱いたのは小官だけでしょうか?

記事の内容によると、このヴァンパイアハンターが言うには
「真のハンターにとって、隠密性と器用さこそが最大の防御だ。我々は使命
 を帯びた騎士なのだ。十字架は我々の盾であり、杭は我々の剣だ」
「吸血鬼より孤独な唯一の生き物、それがハンターなのだ」
だそうですが

この人、もしかしてパイルバンカー症候群なんじゃないでしょうか…

や、冗談ですがね。

2009年10月31日土曜日

開発進む米国の軍用ロボット

 小官は先月兵頭先生の「自衛隊無人化計画」を紹介致しました。
その中で述べられていた事として、日本は民生分野でのロボット開発は世界でもトップクラスにあるものの、軍需分野では決定的に立ち遅れており、これを挽回できないと将来的にやばいかも知れないというのがありました。
(小官は技本に予算をよこさない政府が悪いと思いますが)

そして今週、それを裏付けるような記事が痛いニュースに載りました。
…上からケーブルが付いていてなおかつ逆関節というフォルムは、どうも80年代に於ける二足歩行ロボットの開発風景を彷彿とさせますが、そこは当時よりも技術水準が進んでいる事もあって、横からつっ転がされようが安定して歩いております。

その上で注釈を付けるのならば、このロボットが逆関節であるのは人間では腰の部分に相当する自由度を持たせるためだと小官は見立てます。

これは、日本で二足歩行ロボットの研究をしている学者達が医者の意見を取り入れた結果判った事なのですが、別にモデルさんでなくても人間は歩くときキャラメルダンスよろしく腰を振って歩いており、アシモ等の従来型二足歩行ロボットはこの部分の動きを想定していなかったため、スムーズではあるが人間のように膝を伸ばしては歩けなかったのだそうです。

その点、今回の二足歩行ロボットはわりと人間らしい動きを見せており、もはや日本の技術的優位は絶対的なものではないと感じさせられます。

ただ、気になるのは腰の位置に前後二つ設置されているジャイロのような部品ですね。
おそらくバランスを取る補助をするためのものだと思われますが、今後補助無しに歩けるよう制御技術を高めてゆくのか、敢えてそういうところは狙わずに荒削りな形で出してくるのか興味深いところではあります。

2009年10月28日水曜日

困った人達の物語

 海自の船がまた事故を起こしたようですね。

さて、このあいだ鳩山新政権の動きに関して、
中日新聞が”生活者の立場から報じた”記事が
痛いニュースで「これは酷い、働いたら負けというのは本当だったんだな」

などと叩かれていたのですが、小官は「まあ、痛いニュースだしね」と思ったもんです。
しかし、この話はいつの間にかデジタルマガジンにも伝播していたのです。
まあ、自民時代から生活保護受給世帯がワーキングプアより恵まれているという話はあったんですが、民主党は…
結局何もしないだろうなぁ。
昨今の普天間基地問題の扱いを考えると、連中政権を取る事だけが目的だったのに違いないんだから。

でまあ、同じデジタルマガジンの記事なんですが、英国では鼻歌に著作権使用料を要求するという殆ど言い掛かりみたいな事案が発生していたみたいです。
たしかアンサイクロペディアにそういう記述があったような…

…いや、どこにでも困った人達ってのは居るもんですねぇ。

しかし困った事にこれがミリタリの人にも居るんです。
このあいだブログで故人を罵った民主党議員の件を叩いていた清谷氏が、今度はホホイ先生を罵っているのを見てしまいました。

友達だとは言っていますが、宣伝をしておくと言う割にはあまりお奨めしていないと言うか、どうも敵愾心じみたものが見え隠れすると言うか…
まあ、友達と言うからには清谷さんはそれなりにホホイ先生の人柄をご存知でしょうし、
ホホイ先生が書いた本の内容や、オブイェクトのコメント欄に於ける所業
(公式には本人を騙る荒らしの仕業という事になっています)
を見る限り、第三者としては清谷氏の言は真っ当なもんだと判断しますが。

でもその…ちょっとね、もう少しは礼儀というか思いやりというもんをね…

2009年10月21日水曜日

現代独逸の変態兵器

軍板では変態兵器と言えば英国と相場が決まっております。
おそらく、パンヂャンドラムださく氏の本の影響が強いのでしょうが。

しかし一般では変態兵器=独逸という印象が強いのではないでしょうか。
…実際音波砲だのムカデ砲だのイミフ過ぎる代物を研究してましたしね。

で、本題ですがギガジーンの伝えたところによると現代の独逸には
戦車砲用の消音器」なるものが存在するのだそうです。
つまり、こいつを搭載したレオパルドが発砲音を出すことなくAPFSDSを撃ちまくり、撃たれた相手(多分T-72とか)は静かに暗殺される…

というわけではなく、これは研究施設で大砲を試射するときに近隣への騒音を抑えるためのものだそうです。

日本も狭いのでそれ欲しいです。

2009年10月17日土曜日

ライトセーバー実現?

こないだの江畑氏の訃報に関して、とある民主党議員がブログでアレな発言をして大騒ぎになっているようですね。
あんな下品な文言でブリティッシュ・ジョークでもかましたつもりだったのでしょうか?

そういった不愉快な話はさておき、スターウォーズに出てくるライトセーバーが実現するかもしれないというがワイアードから出ているようです。
まあ、武器としてではなく手術道具としてですが。

しかし、道原かつみ先生のジョーカーシリーズで変態医者がレーザーメスの出力を弄って人殺しをしたシーンがありましたんで、小官もやっぱりこういうのがあるとジェダイの真似事をする厨房が出てくるだろうと思います。

2009年10月14日水曜日

居て欲しい人が去って行く…

 著名な軍事評論家の江畑謙介氏が亡くなられましたね。
この世界ではかなり有名な方で小官が把握している範囲でも北大路機関週刊オブイェクト清谷さんとこなどなど様々な方面から訃報が寄せられています。

中国のハードパワーが急伸している昨今、日本は好むと好まざるとに関わらず米中の間で微妙な舵取りを強いられる事になり、更には民主党の政権奪取により、日米関係見直しの話が出てきている情勢で、彼の能力は本当にこれから必要になるものであっただけに、無念です。

…自国の国旗をチョキチョキするような政党が圧倒的な支持率で政権を取るかと思えば、こういった惜しい人が亡くなる。
どうも何かこう日本を衰退の道へ追いやろうという大きな歴史の流れが発生しているんじゃないかと思ってしまいます。

気が沈んだままでもアレなので、2ちゃんの気に入ったレスを貼り付けて自分を慰める事にいたします。
=アンダーセン基地童話集より抜粋===============
みにくいアヒルの子

あるところにみにくいアヒルの子がいました。
そのみにくさから、みんなからばかにされ、いじめられていました。
「おお、なんてみにくいんだろう。A-7Dがあるのに必要ないではないか!?」
「F-16のほうがつかえる子ではないかね?あんなみにくい子はいらないだろう」
「近接航空支援なんか、AH-64 にまかせればいいだろう。あんなみにくい子はどっかにやってしまえばいいんだ」
と、さんざんでした。
はじめのうちは、みにくいアヒルの子をかばっていた空軍も、しまいには、
「ほんとうにみにくい子。いっそ、陸軍と海兵隊へいってくれたらねえ」
と、ため息をつくようになりました。
キーウエスト合意があったため空軍にのこることにはなりましたが、せっかくのLASTEもなかなかじっしされず、
冷戦終結もあいまってついに空軍州兵や空軍予備役に追いやられてしまいました。
みにくいアヒルの子はそのまま活躍も無く消え去ると思われました。
しかしやがて湾岸戦争がはじまりました。
するとどうでしょう。
砂漠環境での機械的トラブルに悩まされたAH-64や、ろくに活躍できず撃墜数の多かったF-16を尻目に、
撃破数戦車987両、装甲兵員輸送車約500両、指揮車両等249台、トラック1106台、砲兵陣地926ヶ所、対空陣地50ヶ所、SAMサイト9ヶ所、レーダーサイト96ヶ所、
指揮所など28ヶ所、塹壕72ヶ所、スカッド発射台51基、FROG発射台11基、燃料貯蔵タンク8ヶ所、航空機地上破壊10機、Mi-17ヘリコプター撃墜2機という大戦果をあげました。
気がつけばもう、みにくいアヒルの子をばかにするものは誰もいませんでした。
なんと、2028年まで運用が延長されることが決まったのです。
みにくいアヒルの子は、りっぱなルーデルの子だったのです。
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2009年10月7日水曜日

マイクロソフトの技術窃盗?

 那覇基地のP3Cがソマリアへ行ったようですね。

さて、いい加減このネタばっかですが平和宇宙戦艦の杉山先生は口を酸っぱくして「中国による技術窃盗を防ぐべき」と主張なさっていますが、その件に関してはどうも中国はおろかアメリカすら当てにならないようなのです。

というのは、小官がこないだ東芝の発表した
「8チャンネルの地上デジタル放送を26時間録画できる」
というワイドショー調査専用仕様みたいなテレビの件で追加調査しておったところ、ギガジンのこの記事にぶつかったのです。

そういや、両方ともCPUはパワーPCを元にマルチコア化したやつでした。
当時は進歩の早いパソコン用CPUにはインテル系を使い、モデルチェンジの遅めなゲーム機用にはパワーPC系を使うのは当然のことなんて話がありましたが、マイクロソフトが開発中のCellの技術資料をカンペに次世代ゲーム機用のCPUを開発したとなれば…

でまあ、IBMもIBMで第三者へのCellの販売を認められているからといって、開発中の技術資料を横流ししちゃうなんてかなーりグレーな感じです。
つか、Xbox360の件を東芝やソニーの技術者に隠す一方でマイクロソフトの技術者にはCellの情報を提供するとか明らかに確信犯だろ。

2009年9月30日水曜日

兵頭先生が杉山先生に対抗するそうです

 小官は先週まで、杉山徹宗先生の「平和宇宙戦艦が世界を変える」の内容を皮肉たっぷりに紹介してきたつもりでした。
しかし、今になってアマゾンのレビューを読んだところ
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この本を読んで得られるメリットはいくつか有るが、

1.先に挙げた「本そのものの内容を疑うことを憶えられる」と言うこと。
2.ゲームや小説に出てくる「読むだけで正気を失う魔道書」のような体験ができること。
3.書評や店頭で実際に中身を確認できる事の大切さを知ること。

等が上げられる。
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まったく、かなわんなぁ…こいつら一体何所でこんな悪辣なギャグセンスを身につけて来るんだか。

さて、そんな杉山先生に対抗しようとでも考えたのか、ソッチ方面では結構有名な兵頭二十八先生がこれまた「自衛隊無人化計画」なる本を出しておるようなのです。

本書の主張せる所は、早い話が「ドロイド軍の創設」であります。
にっくき敵国に強襲着陸した平和宇宙戦艦から吐き出されるラジャラジャの群れ…中々に興味深い日本の将来像です。

もっとも、ジュンク堂にて内容を立ち読みした限りに於いては、そこまでアレな記述はなく、(とは言っても爆弾積んだ車両にラジャラジャを乗せて特攻させようなんてネタがあったりしましたが)わりと常識的な内容でアマゾンでの評価もおおむねよいものでした。
つっても、レビューの内容がみなマンセー記事ばかりという次第ですが。

…まあ、ネタ本っちゃネタ本なんですけどね。

現実の話をすると、先進国の大多数がGDP比2%前後の軍事費を消費している中、日本はこの値がまあ1%弱といったところなので、少なくとも物理的にはこの方面への伸びしろは充分にあると考えます。
軍事技術の開発に税金を掛け流して、社会全体への波及効果を期待するという手法も、用法・用量さえ正しければ非常に有効であることはこれまで米国が身をもって証明してきたところであります。

しかし、日本は戦後この方こういった軍事ケインズ主義的なやり方には非常に懐疑的です。
ましてや、新しい総理であるところのハトハトは友愛の名の下に必要な防衛費すら削りかねないお方です。

ぶっちゃけ、「物理的には可能だが、日本はその方向へは舵を切り得ない」そういう内容の本です。

2009年9月25日金曜日

与那国島の件その後

 過去にわが四畳半電波搭では与那国島に自衛隊が配備されるかもしれないというをしましたが、どうやらこの話はナシになったようです。
まあ、みんすと言えば中国大好きですもんね。

ただし、普天間の件についてはお茶を濁しているようなので、こっちの方は数年でどうのこうのという話にはならない気もします。

2009年9月23日水曜日

平和宇宙戦艦その7

 民主が政権与党となった事で、色々と困った事になるんじゃないかという話がある一方で、連立政権の中でも左派の社民党が民主を困らせるという珍事が起こっていたようです。
あんな事言う人が居るくらいなら、いっそのこと民主から切られて向こう数年は野党をやってて欲しいもんですが。

さて、今回はいよいよ「平和宇宙戦艦が世界を変える」の最終章
”日本に数千億兆ドルの外貨をもたらす”
となります。
言うまでも無く「数千億兆ドル」という文言に突っ込んではいけません。

そこで豆知識サイトへのリンクを貼り付けるなんて、えげつない艦長ですね。

ハンス、お前さんとはやはりきちんと話し合った方がいいようだな。
そんな事よりさっさと始めて貰おうか。

はい、本章の内容は
・超音速旅客機の実現を早める
・宇宙旅行は日本の巨大宇宙船で
・軍事紛争がなくなると日本は超経済大国となる
・地球規模の旅行ブームとなる携帯型自動翻訳機
・子供達に夢を与える効果は絶大
・技術窃盗を防いだ上で「平和宇宙戦艦」の建造を
となっております。

というわけで、まずは最初の”超音速旅客機の実現を早める”だな。
「実現を早める」というか、超音速旅客機は既にツポレフ144コンコルドなどが実用化されてたが、環境問題の関係でボツになったという経緯がある。
しかし、この問題に関して著者はこういう事を言っているな。
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 世界にジェット旅客機が登場したのは一九五〇年代であるが、それからほぼ六〇年間というもの、スピードはマッハ1ほどで推移してきた。英仏が開発したコンコルドはマッハ2で運行したが、ビジネス界は受け入れなかった。ジャンボジェット機の速度よりも少し早いというだけで、搭乗者数が一〇〇人と限定されていた上に、極めて高い運賃であったため、記念に乗る人はいても、ビジネスマンが利用できる大量輸送機関としては相応しくなかったからである。
 日本が開発を進めているSSTの速度はマッハ2であるが、極超音速ジェットエンジンやスクラムジェットエンジンが実用化すれば、さらにスピードはアップされ、将来はマッハ10が標準速度となる可能性もある。
==============================
一般にジャンボジェットと言われるボーイング747型は最新型でも巡航速度はマッハ0.855とされている。
これに対して、コンコルドの巡航速度はマッハ2.04。
当然のことながら「少し早いというだけ」なんて文言で片付けることが出来ないほどの優位がある。少なくとも「速度的には」だが。
実際にはビジネス用途での旅客機の利用はそんな事より運賃の安さを重視する傾向がある。
ジャンボジェットや後発のエアバスA380なんかは一機に500人近く詰め込む事で運賃を安くしているし、ボーイングの次世代機B787は500人も乗客が居ないような路線でも従来機種より燃費や航続距離を向上させる事で、受注競争に勝とうという発想で開発されている。
…ここを超音速で飛んでしまうと、当然のことながら燃費は劣悪となる。
超音速で飛行するため、遷音速機や亜音速機には使用されない技術を多用せねばならないから、機体価格や維持管理費用も割高となる。
これが更に、極超音速ジェットエンジンやスクラムジェットエンジンの採用でマッハ10前後で飛ぶようになれば、機体は激しい空力加熱に曝されるので、結果的に構造材には耐熱合金を多用し、燃料も特別なものを湯水のように消費するハメになる。
この問題に関しては、SR-71という好例があるな。
にもかかわらず、本節の中では平和宇宙戦艦の開発が進む事で、超音速旅客機にフロートを付け、水上発進させる事で滑走路が不要となり、空港周辺の騒音問題も無くなるとか言っている。

艦長はスルーしたみたいなので、自分はこの文言を取り上げましょう。
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 米国では、新SST計画をニュー・オリエント・エクスプレス計画として発表し、米国版SSTを「NASP(National Space Plane)」と呼んでいた。ただ、米国のNASAはNASPを開発するために推進してきたX-33計画を中止してしまったため、現時点では超音速旅客機の計画は、日本の他には英国のHOTOL計画とドイツのゼンガー計画があるのみである。
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まず、「National Space Plane」ナショナルスペースプレーンという名称からして超音速機ではなくスペースプレーンの開発を狙った計画であるという事。
そして、X-33はスペースシャトルの後継機を開発する構想で開発されていた実験機であるという事。
HOTOLゼンガーもやっぱり超音速機ではなくスペースプレーンの開発計画であり、しかもX-33より早い段階で中止になっている事。
あまつさえ、ゼンガーは冷戦以前の話ですよ。
一体何をソースにすればこんな事を書けるんでしょう?

…どうだかな、この人の事だからソースが正しくてもほぼ確実に誤読してるんじゃあないのかね。
そして次節”宇宙旅行は日本の巨大宇宙船で”は、平和宇宙戦艦を民間向けに改修したスペースプレーンを開発すれば、三十人くらいの乗客を乗せて宇宙旅行が可能になる、そして日本がこの分野で先んじてデファクトスタンダードを握ってしまえば日本経済が大いに潤うと言っている。

「いや、本来はその平和利用の方が先だろ」と突っ込みたくなるのはさておき、ここで気になるのはこの文言ですね。
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 日本の巨大宇宙船は、月面や火星面に直接着陸ができる上に一週間ほどの滞在も可能であり、さらに木星などへの惑星間旅行も実現することができるだけに、「宇宙海洋開発省」も新たな商業宇宙旅行を制定する必要がある。
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月や火星の表面って、岩と砂ばかりのデコボコした地形でしたよね。
滑走路でも作らない限り飛行艇やスペースプレーンで着陸するのは難しいんじゃないですか?
それに火星行きともなれば、第二宇宙速度まで加速してホーマン軌道に乗せて260日という話ですから一ヶ月程度の宇宙滞在を想定した宇宙船では明らかに能力不足だと思いますけど。

さっきからボケと突込みが逆になっているような気もするが、まあいい。
続く”軍事紛争がなくなると日本は超経済大国となる”だが、ここの内容はまあ平和宇宙戦艦の恐怖統治によって完全平和の時代がもたらされれば、世界各国はそれまで軍事費につぎ込んできた資本をまるごと社会資本の充実に廻すようになるから、土建大国である日本に注文が殺到してウハウハだとそういう事だ。
小官としては、171ページに
「リニアモーターカーから発進する平和宇宙戦艦」
として描かれている明らかにゼンガーをパクッたとしか思えないスケッチの方が気になったもんだが。

というか、防衛費がまるごと民生に廻ったところでそんなに大量の資本が生まれるとは考えにくいのですが。
対GDP比で日本が1%弱、アメリカですら4%でその他の国はまあ2%といったところだと記憶しています。

どちらにせよ、
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 ともあれ、米国発の経済恐慌によって落ち込む日本経済を立ち直らせるために、政治家は景気刺激対策として、数十兆円を充当しようとするが、それだけの予算があるならば「プロジェクトX」に投資する方がはるかに経済効果が期待できるのである。
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こんな事言ってる時点でブン屋さん同様、まず結論ありきで話を組み立ててるのが明らかだわな。

次は”地球規模の旅行ブームとなる携帯型自動翻訳機”ですね。
この節には、平和宇宙戦艦の話は一切出てこないです。
平和宇宙戦艦構想のプレゼンをするという本書の内容上、なんだってわざわざこんな節を挟んだのか理解に苦しむところですが。

というか、やっぱり内容がなあ…
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 だが、この翻訳機ができれば、英語を必修科目として高校や大学が設置する必要がなくなり、その分の時間を国語や数学、あるいは社会や理科などの充実に充てることができる。もちろん、受験科目から英語が外されるのは言うまでもない。
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これだもの。
とてもじゃないが、現在の自動翻訳の技術を過大評価しているとしか考えられない。
ちなみに小官は昔、英語の講義を受けたときに、時間節約の名目で課題のプリントをスキャナでパソコンに読ませて自動翻訳をかけるというチートを行使したが、その精度たるや「直訳そのもの」。
事実、辞書を引く手間が省けた程度でしかなかった。
まあ、グーグルで海外サイトを開くと、英語だろうがロシヤ語だろうが翻訳されたページを見ることはできるから、そのへん参考にすると大まかなところは判るかと思う。

そういえば最近も機内放送で妙な事案が発生してましたよね。
続く”子供達に夢を与える効果は絶大”の節では、平和宇宙戦艦を実現してその成果を博物館に展示すれば若者たちの理科離れを食い止め、科学や数学を学ぶ意欲を与えることになる。
その方がゆとり教育や反日教育よりマシだという事を言っています。

その点は正論っちゃ正論なんだが、まとめの部分でやっぱり
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 米国はキリスト教精神に基づいた民主的社会の実現を目指すであろうが、他の一神教国家が不信感を持つ欠陥もある。理由は、キリストが唱える人間の平等や自由は「キリストが言う神を信じる人の間で」のみ有効だからである。
 だが、日本の場合は、いかなる宗教も受け入れる自然崇拝の信仰心と、武士道精神に基づいた「儀、誠、勇気、恥、思いやり、謙譲」の精神で国際社会と友好を目指すことになるため、一神教の世界も日本のリーダーシップを素直に受け入れる事ができよう。
 しか平和宇宙戦艦は、日本のみならず世界をも平和かつ安定した生活を実現し、人類本来の平和に貢献しつつ日本経済を世界一に押し上げるものである。
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…なーんて事を言っちゃっているな。
仏も拝めばクリスマスも祝う、ある意味無神論的な部分すらある多神教の国が宇宙から地上を軍事的に威圧しつつ、世界中の国にゼネコンを送り込んで資本を巻き上げるとなれば、何所の国も「素直に受け入れる」どころの問題でない事は火を見るより明らかだと思うんだが、物事を一つの方向からしか捉えることのできない人というのは恐ろしいものだ。

そして最終節”技術窃盗を防いだ上で「平和宇宙戦艦」の建造を”の内容は他国、特に中国による技術窃盗には官民挙げて防衛体制を取るべきだと。
これは好き嫌いの問題ではなく危機管理の問題であり、反日意識と孫子の兵法で育った中国人研究者や技術者を重要な技術や情報部門の責任者にするというようなことは絶対にしてはならないというものです。

まあ、かの国が技術窃盗をしているのは事実で特に隣国でなおかつ多数のハイテク技術を擁している日本がガードを固める必要があるのは事実だ。
しかし
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 中国人は決して頭は悪くないが、持てる頭脳を悪の方面に全力を出す民族である。その証拠に、現在の中国製品の九割ほどは、全て日本を始めとする欧米先進国から窃盗してきた技術や情報を徹底的に活用している。中国大陸には十三億人もいながら、ノーベル賞を一人も取っていないことを見てもこのことは分かる。
==============================
ここまで言っちゃったんじゃ、「筆者は中国人が嫌いなわけではない」と言うことは出来ないだろう。
小官が聞き及んでいるところによると、中国人留学生や技術者による技術窃盗というのは、留学の費用を中国政府が負担し、その引き換えに彼らに対して中国政府がこれこれの技術を盗んで来いと指示するという話だ。
「中国人」は悪くないが、「中国政府」に対しては用心し過ぎるという事はないと言うような話ならまだ分かるんだが。

とにもかくにも、問題は日本人が全体的にガードが甘い事なんですよね。
お友達になら企業秘密を教えても構わないなんて、世界標準では非常識もいいとこなんですよ。
重要な秘密に関しては、相手がたとえ親友や配偶者であっても
「それはそれ、これはこれ。」
と言えなかったり、居酒屋でふつーに口に出しちゃったりというのは非常に危険な行為なんですが。
…ちなみにこれは日本国内で売られている「孫子の兵法」をビジネスマン向けに解説したハウツー本の受け売りですけどね。
こういった最低限の自衛策も取れない人がうじゃうじゃいる現状で、お上が裁判員を導入するようじゃハイテク技術なんて、遅かれ早かれ身ぐるみ剥がれてしまうだろうと思いますけど。

それじゃあ、最後の最後に”おわりに”というのがあるんで、ここは丸々引用してみるとしよう。
==============================
 思い起こせば二〇世紀の初頭(一九〇五年)、日本は日露戦争で未曾有の大勝利を収めたが、この時は「日英同盟」が機能した。二一世紀は「日米同盟」によって世界から全ての戦争・紛争をなくす平和宇宙戦艦を建造し、世界平和の実現に寄与するべきではなかろうか。
 幸い、日本は米国とともに平和宇宙戦艦建造技術を最も多く持っている国である。それゆえ、日本国民と米国民の両方を説得し「平和宇宙戦艦」を日米共同で開発するメリットとデメリットを冷静に検討し、一刻も早い決断が必要である。
 そして政治家を決心させるには、全て日本国民のプラグマティズム(現実主義)に基づく平和実現思考にかかっている。一国繁栄主義や空想的理想主義では、世界の諸問題は解決しないのである。
 日本歴史上、未曾有の大敗北を喫した大東亜戦争は、戦後の日本人の意識を一八〇度変えるほどのショックを与えた。戦後六四年間が経過する中で、日本人が大切にしてきた「勇気、恥、誠、謙譲、敬老」などの精神を、大東亜戦争で国家のために戦った人々とともに失ってしまった。
 かつてアニメーション映画で「宇宙戦艦ヤマト」が大人気を博し、主題歌が歌われたが、第二次世界大戦末期、沖縄へ片道燃料で出撃し撃沈された「戦艦大和」が、「平和宇宙戦艦・大和」として蘇るならば、あの歌は太平洋とアジア大陸各地で亡くなった英霊に対して、真のレクイエム(鎮魂歌)になるであろう。
==============================
…この人やっぱり松本零士作品の読みすぎなんじゃあないかね。
ちなみに「宇宙戦艦ヤマト」は「アルプスの少女ハイジ」との視聴率競争の結果、一年の予定が半年で打ち切りになったりしている。
これで「現実主義に基づく平和実現思考」だもの。

その手段が軌道上からのレーザー攻撃とか、英霊に対する鎮魂歌どころか冒涜もいいとこですよね。

ハンス、それは事実だがそこまで言ってはいけない。

了解。

2009年9月16日水曜日

平和宇宙戦艦その6

先週、HTVの一号機を搭載したH2Bロケットが打ち上げに成功しましたね。

既存のコンポーネントを流用したとはいえ、新型のロケットに新型の宇宙機を載せて打ち上げる。
しかも、航空宇宙分野では事故が多発する時期には国境を越えて事故が起こるジンクスがあるというのに、この間韓国でロケットが打ち上げに失敗していた

…というわけで、無事に上がるまではヒヤヒヤもんでしたが。

さて、皆さん今回は「平和宇宙戦艦が世界を変える」の第六章
”平和宇宙戦艦がもたらす政治・外交上の効果”
です。
前回の内容がアレだったんで、この段階で既にどんな感じの内容なのか判る気がしないでもないですが、きちんと消化しましょう。
では先任。

まず最初の節”対日照準中の核弾頭ミサイルを無力化できる”の内容は要するに平和宇宙戦艦の実用化によって核ミサイルが過去の兵器となってしまうという事です。
核ミサイルが過去の遺物となってしまえば、核クラブはその特権的地位を失い、インドやパキスタン、北朝鮮のように核を持とうとする国も無くなると書かれています。

まあ、平和宇宙戦艦構想にせよレーザーMD構想にせよ、核ミサイルをほぼ確実に撃墜できる手段の実用化が核兵器を過去のものとしてしまうという考え方は大筋では間違っていない。
もっとも、そうしたところで宇宙戦艦による軍拡競争が始まるんじゃないかというのは当然考えられる事だし、国連が実質的にはアレだという事を考えると、開発が終了した平和宇宙戦艦を国連に渡したところで充分な技術力を持った国はやはり我も我もと宇宙戦艦の開発にまい進するだろうね。
というか本文中に
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 日本人だけが核兵器反対を叫ぶ中で、国連安保理の常任理事国は決して核を放棄しようとしていない。逆に、彼らに倣って核兵器を保有しようとする国家が次々と現れる始末である。日本人の主張する核兵器のない世界こそが、人類にとっての理想であるが、核を政治や外交の道具として使うパワー信奉の国家が多過ぎる。
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なんて記述があるんだが、オバマが一方的な核軍縮をするんじゃないかと警戒した日本側がストップを掛けたなんてがある以上、日本人だけが理想の世界に生きているなんてのはウソだろうな。
勿論、核兵器を持たないし持つ意思も無い国としては同盟国の核の傘が弱体化することを恐れるのは「パワー原理に基づけば」全く当然の事だ。

次の”在日米軍は全て日本から撤退する”では、平和宇宙戦艦の実用化が日本周辺国家の軍事的脅威を全て払拭するので、在日米軍は日本駐留の口実を失い、必然的に撤退せざるを得なくなるだろうと言っていますね。

ここまで極端な事を言ってると、9条教徒とどう違うのやらという気もするんだがな、続く”領土は確実に日本に還る”では
※領土問題発生
→利害関係の無い第三国の代表にも入ってもらって外交交渉、さらに国連総会でも結論を出す。
→無視される
→国連軍所属の平和宇宙戦艦が出動。国連様の裁きが下る。
…という恐ろしい事を言っているな。
しかも韓国の密漁船や北朝鮮の不審船、シーシェパードやソマリアの海賊も軌道上からエンヂンを破壊して拿捕すべしとも言っている。

そんなものが軌道上から見張ってるとなったら、別に後ろ暗いところが無くてもなんかアレだと思いますが。

テロの首謀者とか敵国の要人を狙撃するのにも使えてしまいそうだよな。
そして”拉致被害者の救出ができる”では北朝鮮に拉致された日本人の救出だけでなく中国に弾圧されてるチベット人やウイグル人、その他の人権問題に関しても、平和宇宙戦艦による支援攻撃の元、多国籍軍やPKO部隊を展開して解決すべしとの事だ。

そんなことが出来るなら、平和宇宙戦艦なんか無くても最初から多国籍軍を展開して介入しますよね。
実際には内政干渉になってしまうから出来ないのですが。

で、最終節となる”「宇宙海洋開発省」は官僚制度改革の試金石となる”では平和宇宙戦艦開発の為に新しい省を立ち上げて年間七~八兆円投入して研究者・技術者を二万人くらい雇うべきだと言っている。
でもってそのためには、強力なリーダーシップで政治任命による人事を行う首相が必要なのだそうだ。

それって、あの党が第一党にでもならないと無理なんじゃないですか。
というか、さりげなく危険な発言ですよね。

胡乱な事を言う。
平和の名の下にスペースプレーンから地上をレーザー攻撃しようなんて言うような人物が危険でないわけがないだろう?

たしかに…
それで次の最終回では”日本に数千億兆ドルの外貨をもたらす”ですね。

先任、判ってるな「数千億兆ドル」には突っ込むなよ。

はいはい、判ってますってば。

2009年9月13日日曜日

この人人権侵害です

この人痴漢です」とは、強力過ぎる黒魔法として知られるスペルです。
しかし金曜に入ったニュースによると、どうもこのシリーズに新しく
「この人人権侵害です」が加わる可能性があるというのです。

具体的には、うざいネット右翼の住所・氏名を特定し
「この人人権侵害です」とやると、これから民主党の人権侵害救済法案によって設置される内閣府の外局”中央人権委員会”という所から怖いおじさん達がやって来て公平なる取り調べという名の下に魔女裁判を執り行うわけです。

…というような冗談はあまりにもイデオロギッシュかつ笑えないので、ここからはこの記事の要点を淡々と述べてみます。

まず、この記事では自治労や日教組といった官公労組や朝鮮総連、民団などの左翼運動団体が民主党の強力な支持基盤であり、民主党が政権を取った今、民主党は彼等の意見を大いに尊重する政策を取ってゆくだろうと述べられています。

次に、そういった民主党の暗部に光を当てようとしないマスコミの報道姿勢には作為的なものが感じられるという事を言っています。
…まあ、小泉なんかの時には自民党がまさにそういった感じだったんで、小官としては「情報弱者にはならないように気をつけましょう」としか言いようが無いんですが。

そして、民主党内の左派勢力が今度こそやらかすに違いないと。
例えば過去の自社さ連立の時代にはわずか一年半の間に文部省が教育委員会に対する是正指導の権限を奪われるなど、自治労や日教組がやりやすくなるような仕組みが作られ、それが未だに克服されていない。
民主党政権が短命に終わったとしても、民主党内の左派勢力は確実にあの時と同じ事をやるだろうという事です。

で、彼らがやりそうな事としてまず外国人の地方参政権、次に人権擁護法。
…冒頭のネタではこの人権擁護法を面白恐ろしく取り上げました。
そして、子どもの権利基本法。
こういった事を民主党を支持する左翼団体の存続のためにやり始めるだろうとの事です。

結局、この記事の結論としてはあの村山政権の時とは異なり、一般の人たちがマスメディア以外にもインターネットという情報交換手段を手にしているので、こういったヤクザまがいの左翼団体が民主党政権とつるんで悪さをしないように徹底的に批判を展開すべきだという事のようです。

ただ、小官としてはこの記事に関して
「なんでもっと前にもっと広く伝えてくれなかったのか」
と思います。
というのは、結果論になってしまいますが民主党政権の成立が確定した後になってこんな事を言っても、つまるところ
「とにかく偉い人を叩けばいいんだ」
とばかりに批判のための批判を繰り返すマスメディアのやりかたと大差無いように思われてならないのです。

ところが、早くも彼らが言ったとおりの事が起きつつあるのです。

これでは彼等のやり方が気に喰わなくても、日本にノーメンクラツーラを生み出さぬ為に、少々不本意ながらも同じポジションを取らざるを得ません。

2009年9月9日水曜日

平和宇宙戦艦その5

 ここのところ小官が扱っている平和宇宙戦艦とは、つまるところレーザー砲を搭載したスペースプレーンであり、架空兵器でこれによく似たものを探すとすればそれはやはりアークバードあたりになるのではないでしょうか。
もっとも、現時点では無人機すら実用の域には無いスペースプレーンならばともかく、在来型の航空機にレーザー砲を搭載して対地攻撃プラットホームとして使用するという研究は既に限りなく実用に近い段階にあります。

さて、皆さん今回はいよいよ「平和宇宙戦艦が世界を変える」の第五章
”米国が平和宇宙戦艦建造を渋るわけ”
ここではついに本書の著者である杉山徹宗法学博士の国際情勢に関する分析が見られるようです。
先任、始めてくれ。

はい、本章の構成は以下のようになっております。
・日米共同開発が理想的なわけ
・真の日米同盟が問われている
・なぜ米国は平和宇宙戦艦建造を逡巡するのか
・軍隊は今後も一〇〇年間はなくならない
・オーストラリアも賛成の平和宇宙戦艦プロジェクト

というわけで、最初は”日米共同開発が理想的なわけ”だな。
ここでは日本が平和宇宙戦艦を開発・配備するにあたって
1.法的な問題
2.国際政治上の問題
3.日本の情報通信設備が遅れていること
という三点が挙げられている。
3の情報通信設備の問題に関しては常識的なことしか書いてないので置いておくとして、アレな記述が目立つのは1と2だな。
まず法的な問題の点で、日本は宇宙空間の軍事利用に関する縛りがきついが、米国では平和維持のための軍事利用ならば許されるという解釈なので実際問題として米国と共同でやった方がやりやすいと。
そして国際政治上の問題として、宇宙からビーム攻撃をされると困る国が外交的に妨害してくるだろうから、日米で平和宇宙戦艦を完成し試験運用を終えた後にはその管理と運用を国際連合に委譲してあとは一切手を引く事にすればいいと。
まあ、こんな事を言っている。

米国を利用し倒して、その実は国連宇宙軍にというわけでしょうか?
過激と言うかお花畑と言うか…
ただ、続く”真の日米同盟が問われている”の内容はわりとマトモです。
日米の主要新聞を比較したところ、日本は「外国=アメリカ」とでも思っているのか海外に関する記事は米国を含むものがやたら多いのに対して米国の新聞はあらゆる国を満遍なく扱っている傾向が強い事。
そして日本のメディアが国際問題の大部分を占めている軍事問題をあまり扱わないために平和ボケが蔓延しているということ。
…困った事には総括の部分でやっぱりアレな記述がある点ですね
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 日本の、沈黙を守る政治や外交スタイルでは、日米同盟はますます形骸化する方向にあり、それどころか、米国や中国の狭間にあって埋没する危険性が出てきている。米国に日本の重要性を認識させるためにはまず、日本経済を世界トップにすることが重要で、日本を抜きにしては政治も経済も技術も立ち行かないと、認識させるしかないのである。さらに米国が中国と基軸を組む事が如何に米国にマイナスとなるかを悟らせるためには、日本自ら平和宇宙戦艦の建造を推進するしかないのである。
 なぜなら、平和宇宙戦艦プロジェクトの発表は、うかうかすれば日本経済が米国を完全に凌駕するだけでなく、日本が米国に替わって世界の警察官になりかねない(日本にはそんな気は毛頭ないが)として、あわてて日本重視の外交・経済政策へと転換することになる。というのは、米国人は世界中の人々が米国を嫌っていることと、日本を最も高く評価していることを知っているからである。
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日本側の国際認識の問題を取り上げたところで、無理矢理このまとめをくっつけちゃうのは乱暴としか思えませんが。

いや、それでもそこの内容はやはり「わりとマトモ」と言うべきだよ。
なにせ”なぜ米国は平和宇宙戦艦建造を逡巡するのか”の節ではいきなりこんな記述がある
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 実は、筆者は一年ほど前から、米大使館関係者を通してペンタゴンに対し、「日米共同の平和宇宙戦艦建造計画」を提案し、その英語論文を送っているが、ペンタゴンは筆者の提案に対して明確な回答を避けてきている。
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送っちゃったんだ、しかもわざわざ英語に訳して!
というか、窓口に使われた大使館関係者の人がかわいそう…

小官のようなアマチュアが見ても、ふつーにリジェクト以前の内容だと思うのだがな、この先生はそれを世界が本当に平和になってしまうと米国が困るからだという事にしている。
第一に平和になると軍人がクビになる。
第二に大量の軍備がまるまる無駄になる。
第三に軍産複合体の人が困る。
第四に世界最強の軍事国家の名を捨てたくない。
…という理由があるから偉い人は一顧だにしないのだろうと言っている。

偉い人は?

うん、米軍でも若手の尉官や下士官クラスは大いに興味を示したそうだ。
直接戦場で戦う立場にあるから兵器を無力化する構想に興味を示したんじゃないかと言っているな。

ふつーにダマされてますよそりゃ。

で、続く”軍隊は今後も一〇〇年間はなくならない”の節では偉い人が心配するように、世界が平和になったからといって即軍隊が不要になるわけではないとフォローを入れている。
平和宇宙戦艦が強制的に世界中の紛争を停止させたとしても、戦後処理や復興のために、従来よりは軽装になるもののやはり軍隊の存在が必要になるのだそうだ。

もっとも、そこではこんな事を言ってますけどね。
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 平和宇宙戦艦が完成し、地球上のあらゆる国家間戦争や地域紛争を停止したとしても、事後の処理が必要なのである。核兵器や各種兵器の処理も残っているし、地雷やクラスター爆弾などの処理も残っている。そうした作業は、現在の陸・海・空軍などでなければできない仕事である。
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以前扱った章で、平和宇宙戦艦はいかなる兵器や地雷もリモートセンシングで宇宙から見つけ出し、レーザー砲で破壊して無力化できるとか言ってませんでしたっけ?

なーんか混乱を招く書き方だよな。
…この本の場合珍しい事じゃないが
そんでもって章末の”オーストラリアも賛成の平和宇宙戦艦プロジェクト”だが、ここの内容はオーストラリアに平和宇宙戦艦の話を持ち込んだところ代絶賛だったからアメリカ以外にも協力する国を探すとしたらオーストラリアがいいだろうというものだ。

ところがどっこい、やっぱりこんな記述があったりします。
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 オーストラリアを訪問して議論した時点では、専らレーザービーム砲によって弾道ミサイルを撃墜する有効性に関しての議論であったため、二〇世紀の技術でも充分に建造可能という点で一致したが、平和宇宙戦艦が海上から発進する話はしていなかった。彼等の認識は、日本の平和宇宙戦艦の帰還用としてオーストラリアの広大な国土に長い滑走路を建設する協力を考えて約束していたものである。
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これってやっぱり「ダマした」って言いません?
というか、オーストラリアの偉い人が賛成したのは基本的にレーザーMDの事なんじゃないかと思いますが。

お花畑なのかケシカランのかどっちかにしてくれと言いたいところなんだが、困った事に次回扱う”平和宇宙戦艦がもたらす政治・外交上の効果”ではどうもこの調子でどんどん進んで行くようなのだ。
全く困ったものだね。

そんなのにいちいち付き合う艦長もね。

…先任、あとでゆっくり話し合おうか。

自分は雑用で忙しいのです。
そういう話は一週間後にでもお願いします。

2009年9月4日金曜日

コルベアのその後

 小官が愚かにも平和宇宙戦艦の話などしている間に、近所でアレな事案が発生しておったようです。
アパートの廊下がごっそり崩れ落ちて白い軽自動車が下敷きになってます。
おっそろしい…

鉄筋コンクリートって、基本的に長持ちしそうな印象がありますけど一般的に住宅などに使用されているグレードのものは30年程度しかもたないそうです。
おまけに沖縄だと潮風が当たるんで鉄筋が錆びてひびが入りますしね。
勿論、金に糸目を付けなければ百年現役ってのも可能ではありますが。

さて、小官は半年ばかり前コメディアンのコルベア氏に関するネタをやりましたが、いつの間にかその内容が粛々と実行されておったようです。
しかしまあ、
Combined
Operational
Load
Bearing
External
Resistance
Treadmill
の頭文字をつなげてColbertとか…少々強引な気もしますけどね。

2009年9月2日水曜日

平和宇宙戦艦その4

 今回の選挙で予想通り民主が第一党となりましたが、勝ちすぎという気もしないではありませんね。
自民と民主の勢力がそっくり入れ替わる形になった事から、今まで自民に入れていた無党派層が、空気に流されてどっと民主に投票したっぽいと愚考する次第です。
本音を言えば、もっとこー色々な野党が乱立してそこに議論の場が形成されると良かったと思うんですけど、それはさすがに贅沢というものでしょうか。

さて、皆さん今回はいよいよ「平和宇宙戦艦が世界を変える」の第四章
”日本が建造する巨大宇宙船とは”つまり「ぼくの考えたうちゅうせん」の章です
ここは内容的に色々アレな部分があるので最初に章全体の構成を紹介した上で内容について考察したいと思います。
では先任

はっ、第四章の内容は次のようになっています。
・巨大宇宙船の構造はこうなる 
・平和宇宙戦艦の装備と飛行士は
・平和宇宙戦艦の値段は五〇〇〇億円
・大量破壊兵器とMDの泣き所
・中華帝国実現の夢を放棄させる
というわけで、最初は平和宇宙戦艦の構造についての話になります。

最初の節では平和宇宙戦艦の性能諸元が紹介されているな。
全長60メートル、全幅36メートル、全高12メートル、
空虚重量50トン、全備重量170トンとの事だ。
…航空宇宙工学の知識も無い人が一体何を根拠にこの数値を導き出したのかという点については置いておくとして、基本的にはまず洋上を船舶として航行し、離水時には主翼と尾翼から一対ずつのフロートを降ろして水上を滑走し、ジェットエンヂンの推力で上昇。
その後スクラムジェットと固体ロケットで宇宙空間へ飛び出すという事だ。

その固体ロケットですけど、本文中にはこんな記述があります。
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固体燃料ロケットに関しては、二〇〇八年に再度利用が決定したM5(GX)ロケットを小型化して使用する。
 このM5ロケットは、固体燃料ロケットとしては究極の進化を遂げたもので、この技術を使わない手はない。そしてこれらエンジンの燃料も船内と尾翼に内蔵できる構造とする。
==============================
GXロケットって液体燃料だったと思いますけど。

小官がそういう細かい問題より気になったのはこの宇宙戦艦の運用に関する思想だな。
地上からのレーザー若しくはミサイル攻撃に対抗するため、この宇宙戦艦には特殊金属の鏡を装甲として施し、地上からの攻撃にはビームを照射してこれを壊滅させるから、もはや「宇宙船」ではなく「平和のための宇宙戦艦」と呼んだほうが相応しくなるのだそうだ。
こりゃやっぱりデススターと呼んだほうが正しいんじゃないのかなあ…

というか、自由電子レーザーってX線も出せるから金属鏡ごときでは防御できないような気がしますが。
設置場所と発電能力の関係上、軌道上の宇宙船より地上のレーザー砲台の方が出力の大きな物を配備できるでしょうしね。

その電力だが、こいつが宇宙空間で活動する際には超小型原子炉と補助動力として太陽電池を使ってレーザー砲等のエネルギーに充てるらしい。
だが、この人の構想で一番の問題は燃料だな。
全備重量170トンのうち、燃料は30~50トンと見積もっている。
いくらエアブリージングエンヂンを採用して推進剤を節約するとしても、周回軌道に乗るのにこれでは明らかに少なすぎる。
というか、どうせ原子炉積むなら原子力ロケットを推進器にするべきだろう。
…世論の反発で潰れる事は必至だが。

次は”平和宇宙戦艦の装備と飛行士は”ですね。
なんでも、平和宇宙戦艦の装備は自由電子レーザー砲と炭酸ガスレーザー砲が各一門で、小型レーザー砲が二門。
加えて宇宙戦闘機を二機搭載すると言っています。
しかもこの宇宙戦闘機は母艦へ戻らずに地球へ直帰する事も想定してやっぱりフロートを付け水上機にするんだそうです。

ふつーに宇宙空間にレーザー砲搭載した要塞を浮かべておいて、地上との間をスペースプレーンなりカプセル型宇宙機なりで連絡した方がまだ実現性が高いと思うがな。
生活用品については、基本的に国際宇宙ステーションで使うのと似たようなもんなんで取り立てて言うほどのことは無い。
空虚重量50トンの乗り物に消耗品を35トンも搭載するなら乗員か活動期間のどっちかを削れよとも思うんだが。
で、乗組員は当然自衛隊員、船のネーミングは大和だそうな。

続く節”平和宇宙戦艦一隻の値段は五〇〇〇億円”では
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 とはいっても、米国が一九七〇年代から現在まで四〇年以上にわたって宇宙開発と軍事開発に費やした費用は百数兆円に上っており、この間、世界中に宇宙中継基地や各種人工衛星を開発するなど、平和宇宙戦艦の運用に関する装置を整えてきている。ということは、日米が共同で宇宙戦艦の建造を進める場合には、平和宇宙戦艦本体と新型エンジンを開発するだけでよいことになる。
==============================
といった事を根拠に開発費用が15兆円、一隻の価格が三千~五千億円と一隻五兆円の原子力空母より安くなりますよと言っていますね。

じつはこの試算にはダマシがある。
ここの部分だ。
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 スペースシャトル一機の価格は二一六億円(一八億ドル)で、開発費の約一〇分の一のコストであるが、日本単独で開発した場合、一五億円の一〇分の一の一・五兆円とはならない。なぜなら、既に開発された技術と材料を使えるので、一隻当たり五〇〇〇億円で建造できる。
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何かの新技術の開発費用が15兆円と言ったら、普通は既に開発された技術と材料に上乗せして15兆必要になるという話なのだが、ここではそれがまるまる無かった事になっている。
事実、本書の106頁右下の開発費用を纏めた表では米国に関して照準器と各種衛星の開発費用の部分がゼロとなっているが、これは開発済みだから追加投資が要らないという意味に他ならない。
うーん、ズルいな。

そして”大量破壊兵器とMDの泣き所”の節ですね。
ここの要点は核弾頭、弾道ミサイル、迎撃ミサイルには
・運搬手段
・弾頭の飛行速度
・ミサイルの頭数
という問題点があり、レーザー砲はこれらに勝るという事のようです。

たしかに、次世代のMDでは地上配備型のレーザー砲が実用化できないか検討されているようだな。
ただし、
==============================
 また仮にアフガニスタンで治安活動に従事する米軍部隊などに対して、テロ組織や武装集団が対戦車ロケット砲を発射しようと照準した時点で、平和宇宙戦艦は宇宙からこれを探知し、直ちにロケット砲の砲身にビームを照射するので、砲身は熱のために曲がって発射ができなくなる。しかも砲身を抱えた人間を殺傷しない利点を持っているのである。
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こういう事書くのはどうだろうね。
テロリストの抱えたロケット砲に、熱で砲身が曲がるほどのレーザーを照射したら普通はロケット砲が暴発してテロリストの人は確実にお亡くなりになると思うんだが。

最後は”中華帝国実現の夢を放棄させる”の節ですね。
ここの内容は末尾のこの部分に集約されていると思います。
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 中国が数億人民の生活向上のための社会インフラを日本などに任せて、宇宙開発に精を出すのは「宇宙を制する者は世界を制す」というテーゼを追っているからで、最終的には中国王朝の皇帝がアジア一帯を支配したように、世界の中華帝国を目指していることは明らかである。
 さらに、中華帝国の実現を目指す中国にとって、米国や日本を軍事的に牽制するために北朝鮮を利用しようとする戦略も練っているはずである。前述したように、既に北朝鮮は中距離弾道ミサイルと核兵器を確実に掌中にせいているが、中国は北朝鮮経済の七割以上を握っているから、中国の外交戦略の一翼を担わせるべく手を打っているふしがある。
==============================
…昔米国や旧ソ連がやっていたのと同じ宇宙開発を中国がやったからと言ってこの叩き方は一体何なんでしょう。
そりゃまあ「わが国は発展途上国です」とか言って、本来なら自国でやるべきインフラ整備を他国に丸投げするのはどうかと思いますけど。

それもあるんだが、この場合やっぱり大きな問題になっているのは航空宇宙分野で日本があまりにも無欲に過ぎた事なんじゃないかと小官は思うがな。
かの国は日本と同等の経済規模にもかかわらず、月探査独自の宇宙ステーションなど野心的な計画を打ち出している。
かたや日本は低軌道へ10トンのペイロードを送れるロケットを保有しながら未だにカプセル型有人宇宙船の一つも飛ばさない。
ふじ構想が計画段階でボツになった事を考えると、これは結局意思の問題だと思うんだが。
自国があまりにも不甲斐無いのを中国のせいにするのはイカンだろう。

そこなんですよね、平和宇宙戦艦だろうがもっと実現性が高そうな他のタイプの宇宙船だろうが、日本はなんか消極的なんですよね。
まあ、役人ってのは失敗を恐れるものですから官僚国家じゃこうなってしまうのは致し方の無いところなんでしょうけど。

ところがどっこい、次回は米国が平和宇宙戦艦の開発を渋っているという話をする事になる。

いやいや艦長、どのみち平和宇宙戦艦みたいな構想じゃ普通に電波扱いだと思いますよ。

それは言わない約束だぞ!

2009年8月26日水曜日

平和宇宙戦艦その3

 ども、こんにちは。
今回は「平和宇宙戦艦が世界を変える」の第三章
”レーザー技術が世界の難問を解決に導く”です。
では先任、内容の紹介を始めよう。

はい、ここの最初の節は”最先端を走る日本の技術”です。
内容はレーザー技術と自由電子レーザー技術で日本は世界トップクラスの技術力を保有しているという事ですが、やはり所々に間違いがあります。
突っ込みますか、艦長?

いや、次節とも被る部分があるんでここは見送ろう。
ただし一つ。
この節では核融合炉を実現するためには一億度前後の高温に半永久的に耐える炉を作る必要があると書かれているが、実際には平気だ。
レーザー核融合の場合、反応は断続的に起こるので、瞬間的に超高温が発生しても炉を冷却する十分な時間的余裕を設ける事ができる。
プラズマ核融合の場合、反応に使うプラズマは超低密度の状態なので、こいつが炉壁に触れてもたいした熱量を伝える事ができないうちにプラズマは冷え切って反応が停止してしまう。
次に進んでいいぞ。

はっ、次の節は”軍事技術としてのビーム”です。
ここでは米軍が
1.レーザービーム
2.粒子ビーム
3.電磁波ビーム
4.プラズマビーム
について研究開発を進めており、中でもレーザービームと粒子ビームはすぐにも実戦用兵器としての使用が可能。
そして軍事用レーザービームとしては
1.炭酸ガス
2.化学
3.フッ化クリプトンガス
4.自由電子
が既に実用化に限りなく近い段階にあるとしています。

炭酸ガスレーザーというのは、現在一般的にレーザー加工機なんかに使われているタイプのレーザーだ、発振効率が非常に高いという長所がある。
化学レーザーというのは、早い話がガスを燃やして発生するエネルギーをレーザーの形で取り出すもので、連続発振が容易なのが特徴。
フッ化クリプトンガスレーザーは「エキシマレーザー」と言った方が通りが良いな、波長が短くて発振効率も高めなので半導体の加工などに使われる。
自由電子レーザーは波長が可変という特徴があるが、軍事利用が可能な水準の出力を出せるようになったのは、21世紀に入ってからの事だ。
が、問題はここだ。
==============================
 自由電子レーザーは一九八〇年代中葉で、既にスタンフォード大学では四〇億電子ボルト、コーネル大学では八〇億電子ボルト、ロシアのノボシビルスク研究所では二二億電子ボルト、ドイツのデシイ研究所では五〇億電子ボルトを達成し、一九九〇年代になると、日本の筑波にある高エネルギー研究所では三〇〇億電子ボルトの自由電子レーザーを完成している。
==============================
”電子ボルト”ってのはビームの出力の単位ではない、波長の単位だ。
そりゃ強力な発振機を使えば、それだけ波長の短いビームが作れるし、ビーム自体のパワーも上げやすいが勿論正比例の関係にあるわけではない。
実際、この時期の自由電子レーザーは電球並みの出力しかなかった。
しかしまあ、そこは放っておいて次に進もう。

すると、”如何にしてマッハ26の弾道ミサイルを照準するか”となるわけですが…

ここの内容は昨今のレーザー兵器の実用化の進展について述べているな。
まあ、最後のところのレーザービーム砲を備えた巨大宇宙船を日米で共同開発し、配備しようという主張以外は取り立てて言うほどの事も無い。

ただし、その次の”全ての紛争と対人地雷、宇宙ゴミ問題を解決”の節ではバラ色と言うか…
まず初っ端から
==============================
 レーザー砲を照射する巨大宇宙船の利点は、あらゆる兵器に対して、その能力を奪う事ができるが、いずれも兵器を操作する人間を少しも傷つけないため、恨みや憎悪の感情を醸成せず、従って報復感情も強く起きない点である。
==============================
と、こうやっちゃってます。

確かにレーザー兵器の長所として付随的被害が少ないという点がある。
これは敵の急所だけをピンポイント攻撃して、周囲に広がる被害を最低限に抑える事ができるという意味だ。
だが、それでも人に当てりゃそりゃあ死ぬ。
…兵器だもんな。
そんなものが宇宙から見張っているとなれば、多分報復感情とは別の感情が芽生える事になると思うのだがな。
また、スペースデブリ対策にレーザー砲搭載の宇宙船を使用する意味はあるかも知れないが、宇宙空間から地上の兵器を破壊して軍事紛争を解決してしまうとか対人地雷をレーザー砲で焼き払うとかいうのは…
「少なくとも今のところは妄想です」
仮に実現したところで、対策を立てる側の必然としてそれを偽装・隠蔽されたりした場合、リモートセンシングだけで紛争当事国の保有する全ての兵器を発見したり、地雷を全て見つけ出したりという事は非常に難しくなる。
そもそもリモートセンシングが万能ではなかったからこそ、米国は衛星偵察一本槍を改めてヒューミントにも力を入れるようになったわけだしな。

次は”温暖化を防ぎ、食糧増産に活躍”の節ですが、ここの内容はレーザー技術を応用すれば環境汚染物質を浄化し、更には食糧生産までできるという話です。

この節はまた間違いがちょこちょこ出てきているんだが、全体の流れから言って最大の問題点は「汚染物質を浄化しても二酸化炭素は無くならない」という事だろうね。
例えばここにはローレンス・リバモア研究所とタイパーズ社が共同開発した汚染物質除去装置「ゼトロン」のものとされる模式図が掲載されているんだが、これは真空中に置かれた電子ビーム発生装置からチタン薄膜の窓を通して電子線を出力し、汚染物質に照射して水蒸気と炭酸ガスに分解するという仕組みになっているようだ。
早い話が燃やしちゃってるわけだな、おまけにレーザー技術ではないし。
当然だが、電子線を作るには電力が必要でそのためには二酸化炭素が排出される。
本節には火山ガスや旧日本軍の遺棄した化学砲弾の浄化に使えるんじゃないかという記述もあるが、断言してもいい。
「ゼトロンじゃ無理」
何故ならば、今言ったとおり燃やしちゃうのがこの装置の浄化原理のようだが、火山ガスには硫黄が含まれているし、旧軍の化学砲弾に使用されているイペリットにはルイサイトが混ぜてあるので砒素が出てくる。
常識的に考えて、この種の元素レベルで毒性を発揮する物質には化学的性質を変化させて人体に取り込まれにくい形態に変えることは出来るかも知れないが、完全な無毒化はできないと思っていいだろう。

あと、食糧増産に関してはこういう記述がありますね。
==============================
 一方、レーザー技術は食料の生産分野にも貢献しつつある。例えば、東海大学では、光ディスクの情報読み取りに使われる半導体を使って、水耕栽培する野菜や花に人工照明を当てる光の代替に成功している。現在、植物の成長を早めるために使用されている人工照明は、ナトリウムランプを光源としているが、発熱して危険なため冷却装置が必要であり、生産コストの三割は電気代と水道代が占めている。
 ところが、光源としてレーザー半導体を使用することによって、水と冷却装置が不要となり電気代も大幅に節約される。これだけでも水耕栽培産業は、二〇〇八年度には二〇〇〇億円以上の市場になったと計算されている。
 これらの技術をロボット技術と組み合わせれば、豪雪や台風、旱魃などで畑での野菜が打撃を受けても、工場で水耕栽培される野菜があれば安定供給が得られることにもなる。こうした技術は、アフリカやアジアそして中南米など飢餓に苦しむ地域に積極的に支援をしていく必要がある。
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まず間違い、東海大学でやってたのは同じ半導体でもレーザーではなく発光ダイオードでしたね。
それに、この種の技術については施設を稼動するのに膨大なエネルギーが消費されるのでむしろ温暖化を加速する事になるのではないか。
また、殆ど無菌状態で作物が栽培されるため主として培養用の液肥から病気が爆発的に広がり大ダメージを与える事がある。
発展途上国などに導入する際、設備を建設するのにも運用するのにも莫大なコストが掛かるのでお勧めできない。
…等の問題点があるとされています。
将来的にスペースコロニーなんかの中で食料を自給自足して食ってゆく分にはいいんでしょうけどね。

そして本章の最終節”医療技術に貢献するレーザービーム”となるわけだが
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 現在は未だ開発されていないが、盲目の人や聾唖の人にしても、あるいは近眼や色盲の人にしても、新たに開発されるレーザービームを外側から照射するだけで、機能を回復して正常な状態に戻すことができるようになる可能性もある。実際、白内障の治療にはレーザー技術が使われているのである。
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いきなりこんな事が書かれているな。
レーザー治療というのは要するに組織を焼き切るわけだから、盲目や聾唖、色盲といった先天的なケースについては適用し難いんじゃないのかな?
こういうのはむしろ再生医療の分野だと思うが。
ただし、近眼については既にレーザー治療は実用されている。
レーシック」というのがそれだ。
…実際には、レーザー治療が実用化される前にメスを使った切開で同様の効果を得る「放射状角膜切開術」というのが実用化されてたんだがな。

あと、ここでは脳外科手術に使用される「電磁場メス」というのが紹介されていますけど、これはレーザー技術ではないですね。
少し調べてみたところ、どうも高周波メスの一種であるようです。

そしてまた後半の部分に来ると話が前後するんだが、中国から輸入される食品に毒物が入っている可能性があるからというわけで
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 こうした毒物が混入された食品に対して、現在のような一部の抜き打ち検査をしなくても、特殊なレーザービームを全ての中国食品や商品に照射して、一瞬のうちに浄化してしまうことも可能となる。レーザー技術はほとんどあらゆる分野に利用が可能なため、多額の基礎研究費を開発に投入すれば、人間生活を豊かにし、かつ安全な社会を実現することも可能になるはずである。
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と、こうやっているな。
先刻説明した通り、例のゼトロンは早い話が焼却処分なわけだから、毒餃子を持って来て電子線を照射した場合、まあ消し炭になるだろう。

まあ、そうそう美味い話があるわけないですよね。
というかこの人、レーザー以外の技術もレーザーということにしちゃってる例が多々見受けられるんですが。

だが、この程度の事実誤認で怯んでいるわけにはいかないぞ。
次章はいよいよ”日本が建造する巨大宇宙船とは”つまり
「ぼくの考えたうちゅうせん」を扱った章となる。

やっちゃうんですか…

やっちゃうんです!

2009年8月21日金曜日

平和宇宙戦艦その2

先任、始めるぞ。

はっ!
今回は「平和宇宙戦艦が世界を変える」の第二章
”日本だけが持つ新型宇宙船の画期的技術”です。

まず"ロケットの打ち上げリスクと構造上の欠陥"の節だ。
ここでまず気になるのは冒頭のコレだな
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 現在のロケットは、地上から大量の化学推進剤を燃焼させて、物体を地球重力に逆らって押し上げているわけだが、この押し上げている時間が長ければ長いほど高性能なロケットと言える。そして、このパワーを「比推力」と呼び、その単位を秒で表している。化学燃料を使ったロケットは、燃料を燃やし尽くすまでの時間は大体四〇〇秒から四五〇秒(六~七分)であるが、この時間のあいだにマッハ8以上の速度をあげながら大気圏を突破し、宇宙空間へと飛び出している。
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…理系の素養が無い人にしてはよくやった方かも知れんが、ロケットの話をする以上、比推力の定義については触れておかなければならないな。
比推力とは1キログラムの燃料を燃焼させて1キログラムの推進力を何秒間発生させる事ができるかということだ。

という事は、日本のLE-7Aエンジンを例にすると、推力が109トンで比推力が429秒ですから、109トンの燃料を消費するのに429秒かかるわけですね。
つまり一秒間に254キログラムの燃料を消費する勘定になる。

余談だが、スペースシャトルのSSMEやエネルギヤのRD-0120エンヂンは比推力的には大体似たような数字だが、推力はおよそ二倍だ。
そして、日本が開発中のH-2BロケットにはこのLE-7Aを二本束ねて使用するという事だから…判るよね?

技本が
「うちの作ったエンジンは推力は小さいが自重に対する推力は大きい」
って言ってるのと似てますね…

話を戻そう。
この節の内容は従来型のロケットには、いまだ未解決の大きな欠陥が二つあるというものだ。
第一にロケット本体が一体構造ではなく、数メートル毎に区切られた輪切状のものにゴムパッキンを噛ませて結合してあるので、強度的にここが弱点になるというもの。
第二に、打ち上げる物体が重くなればなるほど大きなロケットが必要になるため、ロケット本体に大きな負荷が掛かるというもの。
…前者は固体ロケット固有の問題で、後者は物理法則の必然って気もするがな。

…艦長、この人もっと大きなポカやらかしてますよ。
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 実際、打ち上げ数十秒後に大爆発を起こす事故が二〇〇三年二月にコロンビア号を襲い、七人が犠牲となったが、これは断熱材が剥がれてタンクやエンジンを傷つけたことから発生した。断熱材の剥がれから発生する事故を避けるために、ロケットの頭頂部に人工衛星や有人カプセルを載せる場合は、当然ながら物体の大きさは制限される。
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打ち上げのときに爆発したのはチャレンジャーで、コロンビアは再突入のときに空中分解したんでしたよね?

黙っておけ、貴様には武人の情けというものが無いのか?
 さてと、次の節”ジェット機で宇宙へ行ったスペースシップ2”だが、ここの内容は要約するとジェットエンジンの推力と主翼が作り出す揚力を利用すれば容易に高度15キロ辺りまで到達できる。
そして在来型ロケットの場合、ここで機体に最も大きな負荷が掛かり、燃料消費も最大となるので、このあたりはジェット機として飛行し、そこから先はロケットエンジンで宇宙へ飛び出すような機体を製作すれば最も効率的だという話だな。
そしてその事を示す実例として"スペースシップ2"が取り上げられている。

アレってたしか軌道には乗らない弾道飛行ですよね?
極端な言い方をしちゃえば"ナンチャッテ宇宙旅行"…
それを本物の衛星打ち上げロケットと同列に扱うってどうなんですか?

たしかに、例のスペースシップについてはその通り。
ただしジェット機で対流圏を突破し、そこからロケットで衛星を打ち上げようという構想は既に実現している。
アメリカのペガサスロケットがそれだ。
こいつはロケットのくせに巡航ミサイルみたいな翼が生えていて、空中発射によって低軌道へ衛星を投入する事が可能だ。
こいつならジェットエンヂンを乗せれば多分使い捨て型ながらもスペースプレーンになるかもしれない。
スタートレックの出演者の遺骨を宇宙に散灰した事もあったっけ。
ただし、ロケット本体の重量が推進剤込みでおよそ20トン。
こいつが低軌道へ投入する事のできる貨物の重量がまあ400キログラム。
更に打ち上げ時には20トンのこいつをでかいジェット輸送機に装着してえっちらおっちら成層圏まで上昇してゆかねばならん。
ふつーに昔のICBMを魔改造して衛星打ち上げに使ってもあんまり変わらんような気もするな。
早い話が21世紀に入って宇宙旅行ビジネスが活発化しているからといって、そこまで革新的な技術が開発されているわけではないという事だ。

”ロケットに代わる新たな推進技術とは”の節ではエアブリージングエンジンというものを取り上げているようです。
ただし、その前の部分でこんな事が書かれています。
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 この一四〇〇トンもの巨大重量の物体を、翼を使わずに地上から100メートル上昇させるだけで燃料の50%近くを消費し、一五キロ上空に達するまでには燃料の70%近くが消費されてしまうから、化学燃料を使う方式は極めて効率が悪いことが理解できよう。
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上から100メートルと言ったら、発射台離れてすぐですよね?
ターボポンプ回す液体ロケットエンジンでそんな短時間に燃料が半分近くも無くなるなんて、常識的に考えにくいんですが。

まあそれは置いといて、ここはエアブリージングエンヂンの話をしてみよう。
エアブリージングエンヂンとは、要するに大気を吸入する推進器のことで、現在一般的に使用されているジェットエンヂンなんかもこいつの仲間だ。
この種の推進器は大気を使用するため、一般的にロケットエンヂンと比較して燃費に優れている。
例えば液体水素と液体酸素を燃やす場合の理想的な混合比は重量で言うとおおむね水素1に対して酸素8とされる。
つまり、ロケットは推進剤の重量の大部分が酸素なわけだがエアブリージングならこいつを地球の大気中から調達できる。
昔一時期流行ったコンコルドみたいな形のスペースプレーンはこいつを応用してエンヂンの作動限界速度までは水平飛行で横方向の速度を稼ぎ、作動限界から先はロケットで第一宇宙速度まで達すれば最小限の推進剤で宇宙へ飛び出せるという構想なのだ。

…そんな便利なものが実用化していないということは、何か問題があったんですよね、艦長。
やっぱり開発資金が足りなかったとか?

HOTOLなんかはそうなんだろうが、理論的により大きな問題となっているのがエアブリージングエンヂンの作動限界速度だ。
エアブリージングで作動限界速度が最も大きいのは、本節でも紹介されている”スクラムジェットエンヂン”なんだが、今のところこいつはマッハ10前後が作動限界速度のようだ。
ところが第一宇宙速度はマッハ数に直すとまあ25程度にはなる。
一般的に運動エネルギーは速度の自乗に比例するから、これでは推進剤の四分の一も節約できない勘定になってしまう。
早い話が、さっきのペガサスみたいに単なる翼のついたロケットで地上から飛び立った方が余計なギミックを搭載してない分マシ…いや、大気中を水平飛行すると空気抵抗を受けて推進剤が無駄になるので在来型みたいに垂直発射した方がいいという話になる。

ダメじゃん。

で、”日本だけが持つ画期的な洋上フロート技術”の節だが、ここは事もあろうにこのスペースプレーンを飛行艇として作るべきだ、日本には二式大艇の伝統を受け継いだUS-2飛行艇があるから可能だ…という内容だ。

飛行艇設計の難点って、水上を滑走するのに都合の良い形と大気中を飛行するのに都合の良い形は必然的に違うから主として空力性能が犠牲になるという事ですよね?
それで、二式大艇の場合は機体の横幅を極端に切り詰める事でクリアーしたんでしたよね。

しかもUS-2はターボプロップの亜音速機だ。
現実的に言って、空力的な要求がより厳しくなる超音速機を飛行艇として作れるような技術は日本ですら持っていないと言って構わないだろう。

その次は”カプセル型宇宙船の落とし穴は三つ”の節ですね。
その三つの落とし穴というのは「安全性」「天候」「居住性」だそうです。

まず、「安全性」に関してだが、ここでは打ち上げ時に何か不具合が起こってもこれを中断する事ができないという事を言っている。
打ち上げ時には帰還時とは異なり燃料等を消費してないから船体が重く、高度も低いのでパラシュートもきちんと機能するか疑問だと言っているのだが、この種の宇宙船は打ち上げ時に問題が発生した場合は、カプセルについている脱出用ロケットで離脱する事になっている。
従って、あまり心配する必要はない。
次に「天候」についてだが、従来型宇宙船は悪天候のためにしばしば打ち上げや帰還が延長されて地上や宇宙で待機する飛行士に大きな負担が掛かると言っている。
…さすがにコレは贅沢だろう。
「居住性」に関しても、やっぱりペイロードが少ないが故の制限についてウダウダ言って、結果的に30人乗りのスペースプレーン水上機の方が優れていると言うんだな。

そりゃまあ、現実の宇宙船より「ぼくのかんがえたうちゅうせん」の方が性能が高いのは当然ですよね。
だって妄想ですもん。

こらこら、それを言っちゃいかんだろ。
で、最後の”防衛産業と中小企業のパワーが必要な宇宙海洋開発”だが、ここは早い話が軍需・民生両方に使えるハイテク技術をどんどん開発すべきだという事で、細かいところには色々と問題や事実誤認があるが、大筋ではまあ首肯できる内容なので突っ込まない事にする。
…いい加減疲れたしな。

艦長、
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 このHTVは、宇宙空間に達するとロケットから切り離され、自らのエンジンと自動操縦でISSに到達しミッションを遂行している。日本の防衛産業は宇宙船建造技術を完全にマスターしているのである。貨物輸送機器は、他には欧州宇宙機関の「ATV」と、ロシアの「プログレス」があるが、いずれもHTVより小型のため、米国が国際宇宙ステーションに送る水や食料、実験機器などの必要資材を送ることができず、二〇一八年までは日本のHTVを購入せざるを得なくなっている。HTVの価格は一機一四〇億円である。
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このHTVの件については何も仰らないんですか?

ググればいいと思うよ。
このHTVには前にもぬか喜びさせられたしな。

投げやりだ…

2009年8月19日水曜日

みんす党ですが国章毀損です

 ええと、本来でしたら本日は平和宇宙戦艦の第二回をやる予定でしたが、あまりにもアレな事案が発生しているようなので、予定を変更してこの話をお伝えしたいと思います。
…何言ってるんですか、原稿ならちゃんと書きあがってますよ。

 世間様は衆議院議員選挙と高校野球の話題で持ちきりなんですが、おそらく今後政権与党となるのは民主党だという流れになっております。
で、小官が軍板で見かけた意見によると政権は交代しますが、民主党が政権を握ったところで、即座に景気が回復するなんて魔法はないのでやっぱり支持を失い、再び自民が政権を握る事になるだろうという読みでした。

小官は別に政権交代を否定するつもりは有りません。
むしろ定期的に政権交代が起こる事で、政界と財界の癒着が弱くなれば、まああのちょっとダーティなみんすでも首肯できるかと思います。

しかしこないだこんなニュースが入ってきたのです。
ざっと内容を読んだ感じでは「ローゼンの言い掛かりじゃねえのかコレ?」と思いますが、なんとこの問題に佐藤守元空将閣下がトサカを立てられたのです。
たしかに、例の写真を見た感じでは下の丸が歪んでないし中央に縫い合わせたような痕が横に走っているしで、どうも日章旗を二つちょん切って合体させたっぽく見えます。

小官はこの件に関して、閣下のように”党章>国章”という民主党の認識にどうのこうの申し上げるつもりはございません。

しかし、国旗と言ったらそれは日本国の象徴です。
天皇も同じく日本国の象徴ですが、彼には任命権というものがあります。
日本国憲法にも明記されています。

それが今から政権与党になって内閣を組閣し、次期総理になろうという人が国旗を毀損したと言われて
「民主党のマークは確かに国旗を切り刻んで作れるかもしれませんが…」
これは無いでしょう。
かりに国旗を切り刻んだ事実があったとしても、ここは言い掛かりだと抗弁するべきでした。

民主党の議員にはハニートラップに掛かっている者が多いとも聞きますが
…こういった事案を見ると、こいつら短期間でも政権を取ったらその間に一体何をやらかすのだろうと思ってしまうわけです。

2009年8月12日水曜日

平和宇宙戦艦その1

先任、居るかい?

艦長…
私の出番ということは、例によってトンデモ本批判ですか?

自分の役どころを弁えているではないか。
今回はこの本「平和宇宙戦艦が世界を変える」だ。

たしか週刊オブイェクトで自衛隊幹部学校の講師が書いたわりにはあまりにもアホな本として紹介され、それを「SFと軍事の両方を扱ってる」ということで艦長が物好きにもジュンク堂へ行って入手されたんでしたっけ?

そのとーり。
本当だったら技術面だけに絞って
"平和宇宙戦艦なんてものが本当に可能なのだろうか"
という話をしたいところだが、そうは言ってもネタが無い。
それにお前さんにも出番を与えたいから七回シリーズで行こうと思う。

そうですか…

そんなわけで、今回は第一回。
"高度技術でプロジェクトXを立ち上げよ"の章を扱おう。
この章の内容は
・地球を悩ます諸問題
・地球外からも危機が迫っている
・日米同盟の価値は大幅に減少している
・中国の対日戦略は日本を属国化すること
・日本が今始めなければならないことは
・世界が求める日本のリーダーシップ
・日本のプロジェクトXは人類を幸せにする
となっているな。
とりあえず、今回は各節の内容を紹介して突っ込みを入れようか。

するとまず、”地球を悩ます諸問題”の節からですね。
いきなり論理構造が一貫していないグダグダな長文が続くんで、なんか読んでて疲れるんですが、ここの内容は
1.経済問題
2.地球温暖化・環境破壊
3.軍事紛争
4.食料・エネルギー
5.未知の病原体
といったものが問題になっているにもかかわらず、大国は国益の追求をやめようとせず、日本は専らその傍若無人の被害者になっているという事のようです。
しかし、自分なら”地球温暖化・環境破壊”と”食料・エネルギー"は一つに纏めますがね、軍事紛争を扱った部分でも温暖化の話を混ぜ込んじゃってるし。

うむ、そもそも地球規模での問題を国際的に解決しましょうという話と日本が外交で押されまくっているという話を一緒にする必然性がなぁ…

で、その次が”地球外からも危機が迫っている”ですね。
ここは小惑星落下の可能性について述べた箇所なんですが、気になる部分があったんでちょっと引用してみますね。
==============================
 元々、二〇三〇年に小惑星が地球に衝突するという情報は天文台や人工衛星からではなく、ブラジル人預言者のジュセリーノという人物が数年前に見た夢に顕れたとして、米国NASAに手紙を送っていたものである。彼はまた9・11テロに関しても、日本のサリン事件も数年前に夢に現れたと述べている。
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ジュセリーノですって、艦長。

「やっちまったなぁ」だよな。
仮にも専門家を名乗る人間が預言者の言ったことをソースにしちゃいかんだろう。
ちなみにこの人、今年の夏は日本でコレラが大流行すると言ってたそうだ。
今更説明するのもなんだが、地球にぶつかりそうな小惑星を「発見した」と言うためには最低でも何時頃どの方向から飛んでくるかという情報を提示してそれが実在する事が第三者によって確かめられなきゃマズイと思うんだが。
…贅沢を言えば○月○日から×月×日にかけて△△座を通過するくらいの情報は無いとな。
従って、コレはふつーにスペースガードの人達の努力の賜物かと。
で、このスペースガードという団体は日本にもあるわけなんだが、ここの節の結びの部分はこうなっている。
==============================
 日本は二〇〇八年に宇宙開発戦略本部を設置したが、小惑星の探査を米国だけに任せていては、小惑星からの危機や宇宙開発等で米国と対等に渡り合うことなどできないことを認識する必要がある。
==============================
なんで本にする前にもう少し調べてくれなかったのか…

そして、”日米同盟の価値は大幅に減少している”ですね。
ここの内容は米国民主党は伝統的に日本敵視・中国愛好なので今後必要以上に日本叩きをしながら中国と接近してゆくだろうという事みたいです。

たしかにここは大筋では合っている。
日米同盟とて永遠ではないし、日本が強くなりすぎればこれを叩くというのはアメリカとしては当然の事だ。
しかし、一度アメリカの立場に立って考えてみると、日本ばかりではなく中国或いはロシヤ、どこか一国が強くなり過ぎるという事は即ち東太平洋の制海権を脅かされる事を意味する。
あの国は太平洋を自分の庭の池みたいに思っているわけだから、これは由々しき問題だ。
というわけで、日本にはこの二国の蓋をして欲しいし、その分際を弁えないのなら遠慮なく叩くという事だろう。
理想を言えばこの三ヶ国には互いに牽制しあっててほしい。
…逆に最悪のパターンはこれらの国が同盟してアメリカに立ち向かうようなケースだろうね。
さて、次の節では当の中国について述べられているわけだが。

はい、”中国の対日戦略は日本を属国化すること”の節ですね。
ここの結論はつまるところ
==============================
 ともあれ、中国は日本を徹底的に利用し毟り取る国家戦略を追及し、最終的にはかつての王朝が行った冊封体制の中に、日本を属国として取り込むことを目標としていると断言できよう。では日本はこうした国々の戦略に対して如何に対応すれば良いのであろうか。
==============================
という末尾の部分に集約されていますね。

中国は野心的な国家である。
これもまあ大筋では正しい。
しかしここで、当の中国が日本を必要以上に脅威視しているという点が述べられていないのはどうもな…
国土は狭く、人口はこちらの十分の一でろくな資源も無いのに経済力は同等で加えて世界トップクラスのハイテクを保有している。
しかも中国へは過去に来寇してきた事実がある。
というわけで、日本に右翼政権が現れたら持ち前の経済力とハイテクを背景にあっという間に核武装して軍事大国化してしまうに違いない、少なくともその能力がある。
だから日本の世論が右に振れるような事態だけは是が非でも避けねばならない。
…というのが中国人の考えている事らしい。
むろん、だからと言ってそれに同情して日本だけ軍縮を進めたり必要以上に中国に媚びるような政策をとる必然性は無い。
小官個人の意見として、特に警戒すべきは日米離間策だな。

…これでやっと半分なんですか。
なんだか政治の話ばっかりですねぇ

そりゃまあ、この先生文系らしいからな。
で、次の節”日本が今始めなければならないことは”だが、
1.安全保障問題
2.経済問題
3.中国対策
4.政治屋の無能
…とまあ四つの問題を解決しなきゃならないんだそうだ。
政治屋の無能をどーにかすれば他はすぐにでも方が着きそうな気もするが。
で、結論はと言うと
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 日本の場合は兵器開発をして戦争を起こすのではなく、ハイテクを利用した公共事業として「巨大プロジェクトX」を立ち上げることである。このプロジェクトを立ち上げれば、国内の大企業はもとより中小製造業を活性化するために内需が大幅に拡大することになる。
 それによって、ほとんどあらゆる経済産業界が参加できる裾野の広い基幹産業が成立し、同時に優秀な若手研究者・技術者も大量に雇用ができ、日本経済は米国やEUそして中国等のGDPを合計した数字をはるかに凌ぐGDPを掌中にすることは間違いない。そのためには、政府はプロジェクトXのために巨額の財政支出をする必要がある。
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だそうな。

”兵器開発をして戦争を起こすのではなく”って…
この本の題名はたしか「平和宇宙戦艦が世界を変える」でしたよね。
宇宙戦艦って、兵器じゃないんですか?
それに、お金って回るものでしょう?
日本のGDPが米・中・欧の合計を凌ぐって、ドルに代わって円が世界の基軸通貨にでもならないと無理なんじゃ…

序盤の時点で現実と願望をかなりごっちゃにしてるよな。
こんな調子でずっと続いてくれると困るんだが、次の節
”世界が求める日本のリーダーシップ”では更に電解強度が高まる事となる。
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 核兵器や弾道ミサイルの獲得に地道を挙げている世界に対抗して、日本も核戦力を持つのでは永久に世界は平和にならない。世界で最先端の技術力を誇る日本は、核戦力を全く無力化してしまう技術を開発してこそ、世界平和に貢献することになる。
==============================
で、日本が国家を挙げて取り組むべきプロジェクトは海洋・宇宙開発技術とレーザー等のビーム技術なんだそうな。
まず、”核戦力を全く無力化してしまう技術”というのがな…
それに戦史をひもとくと、昔の列強は核戦力の整備に血道を上げるが如く戦艦の建造競争をやったもんだが、これが空母の登場で全くの時代遅れになってしまった。
では空母で世界が平和になったかというと、空母で戦争するようになってしまった。

という事はですよ艦長、この人のプロジェクトが実現した場合ガンダムか何かみたく宇宙空間でドンパチやってデブリが発生しまくるわけですか?

確実にそうなるだろうね、こればっかりは人間という生き物の業みたいなもんだ。
で、最後の節になるわけだが。

”日本のプロジェクトXは人類を幸せにする”ですね。
ここは要するに宇宙開発について述べられている部分になるわけですが…

まず気になるのはこの部分だな
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 一方の米国は、スペースシャトルの開発が間違いだったとして、二〇一〇年にはシャトルを引退させ、国際宇宙ステーションでの研究活動からも撤退を表明している。米国はスペースシャトルに替えて、貨物の運搬を「宇宙エレベーター」で行う予定である。
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アレスロケットは無い事になったんですか?

たしか米国の動向としてはシャトル退役後はソユーズのチャーターでアレス実用化までお茶を濁すんでしたっけ?
軌道エレベーター」はそのずっと先にある目標でしたよね。
どのみち、オバマの民主政権じゃそれも確実に縮小されるでしょうが。

軌道エレベーターに関する記述では他にも気になった部分がある。
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 宇宙エレベーターに使うケーブルは、重力と遠心力の引っ張りに耐えるために鋼鉄の一八〇倍以上の強さが必要となるが、呆れたことに、その素材はなんと日本企業が開発済みの「カーボン・ナノチューブ」と、推進力として高性能の日本製電池を利用することを考えているのである。電池へのエネルギー供給にはレーザービームを利用する事を予定しているが、日本が決心さえすれば、宇宙エレベーターの実用化を最速で達成できる国家なのである。
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カーボンナノチューブって、たしかに日本企業が売っているが、あれは研究試料としての用途が主で構造材料としての実用化はまだまだ先の話だった筈だぞ?
現在のカーボンナノチューブ研究のトレンドはたしか集積回路で、細くても大電流を流せ熱伝導率が高い性質を応用できないかという事だったと思う。
宇宙エレベーターのケーブルなどに使用する構造材料としての用途は今のところカーボンナノチューブの長繊維が大量生産できないことから、まだまだ実験段階だったと記憶している。

あれっ?
艦長、この人アレスロケットの存在は認知しているみたいですよ、ホラ。
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 さて、米国が国際宇宙ステーションから撤退する理由のもう一つは、無重量状態にある宇宙ステーションに高い金と危険を犯して出掛けなくとも、地上において無重量状態を作り出すことができるため、宇宙ステーションを利用することはない、という考えに基づいている。同じリスクならば、直接火星に行って研究や実験を行う方が、多くの点でメリットがあると計算しており、そのための資材運搬用として「アレス」という巨大ロケットを開発中である。
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…アレスロケット開発の目的の一つに有人火星探査計画があるのは事実だが、あれは基本的にはシャトルの代替として開発されてた筈だ。
それに、地上で作り出せる無重量状態はせいぜい数秒程度なんで、宇宙ステーションの実験環境とは比べ物にならない。
むしろNASAが月探査計画や火星計画で考えているのは資源開発や宇宙殖民…極端な話をするとテラフォーミングなんて話もあったと聞くがの。

でまあ、本章の結論としては、日本は地球が抱えている難問を解決し、世界平和に貢献し、日本を太陽が沈む事の無い経済大国に押し上げるような宇宙開発をするべきだという事のようですね。

なんかこう、玉虫色の理想論という気もするが…
この目的を達成できるような宇宙開発といったら、ふつーに地球外資源を開発して日本が慢性的に抱えている資源不足を解消するとか、スペースコロニーを建造して増えすぎた人口をそこへ移民させるとかすればいいと思うんだがな。

ファーストガンダムの世界ですよね。
現時点では宇宙へ行くための輸送費が掛かりすぎる事が問題で、さっき出てきた宇宙エレベーターなんかはそれを解消しようという構想なわけなんですが。

なんだってそこで宇宙戦艦が出てくるかが疑問だが、それは次章で扱う事になるようなので、今回はここまでとしよう。

了解。

2009年8月7日金曜日

買って…しまった!

 ラプたんの生産中止が決定した一方で、ライトニング2は垂直離着陸型の量産一号機が完成したようです。
それなのに空自の偉い人はまだラプたんに拘っているようで…
どのみちF-Xは退役するファントムの穴を埋めるためのものなんですから素直にF2増産でいいと思いますけど。

…まあ、将来的に国産でステルス戦闘機を作るって言うならタイフーンなんか良さそうだと思いますけどね。

 さて、このあいだオブイェクトで紹介されていたトンデモ本なんですが、小官はジュンク堂へ行って買ってきてしまいました。
お値段1800円。

エスエフとミリタリを扱うというこのブログの性格上、言及せぬわけにはいかぬということで購入に踏み切りましたが、内容をざっと読んだ感じネタが少なそうでどうも損をした気がぬぐえません。
まあ、いいですけどね。

2009年8月5日水曜日

デススター計画の提唱者が自衛隊の講師をしているそうです

 明日は広島原爆の日ですね。
…この時期は何と言うかどの局も毎年同じ番組で似たような恨み節を披露してくれるのでどうもアレなんですが。

 さて、小官は以前与那国島で町長が自衛隊を誘致すると言い出してもめているというをしましたが、どうやら民意は町長を支持したようです。
とはいえ、与那国島に自衛隊を置く意味ってのがどうも疑問なんで実現するかは判りませんが。

ところが、そんな中オブイェクトから
平和宇宙戦艦というものを提唱してる人が自衛隊の講師をしているぜ!
という話が入ってきたのです。

宇宙空間にレーザー砲プラットホームって
…デススターって言わんかコレ
もしくはアークバード

右が強くなるのも左が強くなるのも考え物です本当に。

ところが、小官的にはこっちの方がより悪いニュースであったりします。

そりゃあたしかにUSBの方が小さくてお手軽で大容量なのは判りますよ。
今じゃ使えないパソコンのほうが少ないし…

だけど敢えて言います。
「MOの方がカッコイイ!」

2009年7月29日水曜日

デスラー総統の謎が解けました

 アップルがiPhoneをでかくしてタブレット型マックとして売り出すらしいですね。
あの会社、小官はPowerPC系プロセッサを捨て去ったあたりからどうも食傷気味なんですが、それでもコレは迷走してるようにしか見えません。

さて皆さんはデスラー総統をご存知でしょうか?
そう、あの"青い人"です。
アンサイクロペディアには
「ヤマトが銀河系を超えてきたあたりから、顔色が目に見えて悪くなる」
との記述がありますが、今回新新説が出てきたので紹介します。

なんでもロチェスター大学医療センターの神経学者であるNedergaard氏によると、脊髄損傷の治療に食用色素の青色一号が有効だと判ったということです。

記事の内容によると、彼の行った実験というのは

1.麻酔を掛けられ寝ているネズミの背骨に重りを落として半殺しにする

2.一方のグループに青色一号を注射

3.注射されたネズミは明らかに回復が早い

といった感じのもので、ただし副作用として皮膚や目が真っ青に染まったらしいです。

…その後、染まった皮膚や目は代謝によって元の色に戻ったそうですが、脊髄は青色一号とよっぽど強く結びつく細胞でもあるのか青いままだったとか。

もう判りますね。デスラー総統はヤマトが銀河系を超えた時期に何らかの事故(暗殺か?)によって脊髄を損傷し、青色一号を投与された結果あのような特徴的な容姿になったと考えられるわけです。

無論、これは「あくまでも仮説」の域を出ないわけですが。

2009年7月22日水曜日

誤報のお詫び

 最大級の皆既日食があったようですね。
不法入島者まで出たトカラ列島では皮肉なことに曇天だったようですが。

 さて、小官は去年わが国の探査機がアポロの着陸地点を捉えたとの記事を書きましたが、テクノバーンからの続報によると米国の探査機によってこれがどうやら誤報であったらしいという情報が入ってまいりました。
この場でお詫びしておきます。

2009年7月17日金曜日

リアルからくりサーカス

 とある錬金術師が失恋の痛手で発狂し、無抵抗の民間人をいかに面白おかしく虐殺できるかという点に重きをおいて自動人形を開発した。
しかもその自動人形は人間の生き血を動力源として活動するのであった。

…というのが昨年終わった漫画のあらすじであったと記憶しております。

ところがどっこい、ペンタゴンが有機物を食うことの出来るロボットの開発に乗り出したというのです。
とりあえず、現段階ではベジタリアンとしてプログラムされておるようですが、やっぱり人を食うことも”技術的には可能”なんだろうなと思うと…

いずれ実際にやるアホーが出てくるんでしょうねぇ。

2009年7月15日水曜日

最低賃金千円ですってよ。

 どうも、ここのところ仕事が忙しくて出来ればブログの更新も億劫になってきてるんですが。

さて次はどうも民主っぽいですね。
あの政党、テレビに出る度に政権交代政権交代と野心むき出しなわりに、ダーティさでは自民とどっこいというところが小官的にはどうもいただけぬのですが。

しかしまあ仕事の忙しいこと。
工場の設備が中々スケジュール通りに動いてくれないので、きつくはないのですが勤務時間中暇だったかと思うと、残業して仕事を片付けてゆくハメになる。

まあ、以上のようなわけで次の政権与党に決まったっぽい民主なんですが、放っておいても自民の滅亡は時間の問題だろうにという状況で最低賃金を1000円にするとか言い出しています。

…シンプルに給料が上がるんならいいんですがね、会社側が辻褄を合わせるために勤務時間を削ってその分密度の高い労働をせにゃならんなんて事になるんじゃあないかと小官は心配です。

2009年7月10日金曜日

与那国島の件について

 なんか、ラプたんに欠陥工事が露見したという話が出てますね。
小官がこないだ嘉手納で公開されてたラプたんを見たとき、ステルスという割には所々なんか造りが荒いように見受けられる部分があったんで気になってたんですが、まさかその辺の関係じゃないよな…

さて、小官は普天間基地の移設問題について、以前から辺野古がもめるのなら下地島あたりでいいんじゃないかという事を言っておりました。

…あの島には最初から立派な滑走路があるわけだし、人口密度も宜野湾市ほどには高くないでしょうからね。

ただ、小官のこの見解に関しては2ちゃん等で会った同好の者からはわざわざ中国に近く攻撃を受けやすい場所に基地を移す必然性などの点で厳しい突込みが入りました。

…そんな中に出てきた今回の与那国島の件です。
さすがにこれは小官の見立てをはるかに上回る話でしたが、結局はまあ島の外からプロ市民が大勢入ってきてグダグダにしてしまうであろう事は火を見るより明らかだったんであまり大きくは取り上げませんでした。
ちなみに小官、与那国島を地図で見ると宇宙戦艦ヤマトのシルエットに似てなくも無いので個人的に好きだったりします

ところがどっこい、小官の速報に続いて佐藤守元空将閣下の所北大路機関などでこの問題が取り上げられていたのです。

しかしまあ、あの島は本島から離れすぎていることに加えて中国との距離はそれほど近くなるわけでもなし、その割にはやたら台湾に近かったりで、小官の意見はこの人と大体似たような感じです。

つまりは先島諸島の自然災害対策と島嶼防衛のためにという事であれば、やはり下地島がよさげという事です。

2009年7月8日水曜日

ラプたんに会ってきました

 小官は先週嘉手納の一般公開へ行って参りました。
米空軍ばかりでなく航空自衛隊も参加しており、F2も見ることができたので中々意義深いイベントでありました。

 とくに面白かったのは展示会場でのロープの張り方で機種毎のガードの固さをうかがい知ることができたことです。
例えば、米空軍の機体はイーグルやファルコン、その他の輸送機やヘリなどはまったく縄が張られておらず、ミサイルだろうがエンヂンノズルだろうが触り放題撮り放題だったのに対して航空自衛隊はイーグルとF2の周囲に縄を張って一律に5メートル程度までしか近付けないようにしてました。

これがラプたんとなるとさすがは機密の塊、15メートル程度までしか近付けないようにしてなおかつ背中は格納庫へ向けエンヂンノズルにはカバーまで掛けるという念の入れよう。

ただし、全開になったベクタードスラストノズルのパドルの横から、ノズルを駆動するための機構とおぼしき何やらメカメカしいものが見えてました。
…この様子だと多分、見る人が後ろあたりから見ればこの子のステルス性が低下してしまうのはどんな状況でどの角度から見られたときだろうという事を看破してしまうのでしょう。

 ところがなんとも間の悪いことに、小官が帰宅してから修理に出してたデジカメが戻ってきていた事が判ったのです。

これではまるでケータイで必死になって写真を撮りまくっていた小官が道化のようではないか!

しかも翌日の琉球新報には、小官が帰った後になってから61歳のじさまがフランクフルトをのどに詰めて死んだが、基地との間に連絡の不手際があって救急隊の到着が遅れたという事があたかも
「基地の中に救急隊が入れないようになっているのが悪い」とでも
言わんばかりの論調で書かれていたのです。

…これで来年おかしな自粛ムードになってリベンジが果たせなくなると大いに不本意なのですが。

2009年7月3日金曜日

FTL騒動

 小官は本日、那覇の沖縄電力ビルにあるウィルコムプラザへ行き、モデムを3Gのタイプに買い換えて参りました。
ただ、電波が悪いせいか、今ひとつ早くなったように感じません。

って、受信レート調べてみたら100Kbps程度しか出てねえ!
今までの苦労は一体何だったんだ…

こりゃノーパソ持って基地局に近い場所を探し回ることになるかなぁ

 さて、早い通信といえばSFなんぞには超光速通信…俗にFTLって小道具が出てきますね。
わかりやすい例で言うと、宇宙戦艦ヤマトでドメル将軍の配置したリレー衛星によって、七万光年ほど離れた地球との間でリアルタイム通信が可能になった話がありました。
情報は光速を超えて伝わることはできない筈なので、従来これはあり得ない事とされていました。

しかし、テクノバーンによるとロスアラモス研究所でシンクロトロン偏光の原理を応用することによって光速を超えて電波を送受信する装置が。開発されたというのです。

ところがどっこい。この話には早くもガセネタ説が浮上しております。

…ぬか喜びさせやがって

2009年7月1日水曜日

信じようと信じまいと

こないだジュンク堂行って航空情報の8月号読んできましたよ。
F2の評価が不当に低いのは、完全自主生産派と輸入兵器お安く調達派の両方から叩かれる結果になったせいだというJSF氏の記事がちゃんと載ってました。

しかし「嫌われ”エフに”の一生」って…あかん、この人の秀逸さには十年かかっても追いつけん。

で、そのオブイェクトには今回こんな話がアップされておりました。
そうか…人狩りの話はウソであったか。

かく言う小官も「おそロシヤならやりかねん」と思ったクチですが。

さて、こっちは国内かつ地元と比較的ソースに近い話なのでそういう事は無いだろうと判断しますが、琉球新報によると与那国町が防衛相に自衛隊の配備を要請し、これに防衛相も前向きな姿勢を示したのだそうです。

記事の内容によると、離島での自然災害や尖閣諸島の領土問題などが心配だというので、昨年度の9月に町議会が自衛隊誘致を賛成多数で可決し、約1600人の町民のうち500人あまりが自衛隊誘致の請願書に署名したとの事。
…というか、自衛隊分屯地を誘致して過疎化に歯止めをかけようという魂胆が見え隠れしてる気もします。

で、この新聞屋ってば有権者が自衛隊を支持した事が余程悔しかったとみえてこういう話も載せてますね。

沖縄と言えば、一般的に反戦平和で団結しているというイメージがありますが、実際にはこういう例もありますという話です。

2009年6月26日金曜日

事実は仮想戦記より奇なり

 たしか小官が厨房の頃、レンタルビデオ屋で見かけたビデオのパッケージに
「タイムスリップしたステルス機がナチスの手に渡ってしまった!」
というものがあったと記憶しております。
…検索した感じではこの映画かと。

ところがどっこい、ナショナルジオグラフィックが大戦末期にナチスが開発中だった全翼機Ho229の実物大モデルを作ってRCSを調べたところ、当時のイギリスのレーダーに対して十分有効なステルス性を有している事が判ったのだそうです。

 全翼機のRCSが小さく、敵のレーダーに映りにくいという事はよく知られていて、YB-35フライング・ウィングなんかも実戦に投入されていたら日本軍のレーダーでは捕捉できなかっただろうと言われております。
本機に関しても表面に炭素材の特殊コーティングが施されていた事からステルス機説があったそうですが、今回ナショナルジオグラフィクのリサーチによってそれが裏付けられる事となったわけです。

…うーむ、ナチスドイツのオカルト科学は我々の予想を遥かに超えておったようですな。

2009年6月24日水曜日

実力の時代

 昨日、こっちは慰霊の日でありんした。
それはさておき、T-72神教の神官であるJSF氏が紙媒体にデビューしたようです。

航空情報って、県内じゃちょっと見た事無いんだがジュンク堂行けば有るだろうか…

まあ、彼のブログはうちとは比べ物にならない程の人気サイトですしこういう実力の持ち主がネットから市場へデビューするのは最近では珍しくもない事です。

よく知られているところではケータイ小説もありますし、フラッシュアニメでも塚原氏ラレコ氏などの事例があります。

時間とお金が存分にあれば小官もこんな駄文を書くばかりでなく色々作ってみたいと思うのですが、こういった人達もやはり無い金と時間を工面してあれだけのクオリティの物を仕上げて、それが社会に広く認められているのだろうと考えると…



                        鬱になりそう。

2009年6月19日金曜日

米軍、日本製の缶パンを採用

 ええと、タイトルの通りです。
この度、在沖米軍が日本はアキモト社製のパンの缶詰を非常食として採用しました。

ただし、正確には米軍が採用したわけではなく、米軍基地の消防隊が保存用非常食としての導入を決定し、アキモト社が沖縄工場で製造した200缶を納入したというです。

 こいつは例の非常食の本にも”缶入りソフトパン”の名で載っているシロモノで、賞味期限(消費期限ではありませんよ、この意味が解りますね?)が37ヶ月というデタラメとしか思えないスペックを誇ります。

とにかく環境ストレスに対する耐性にこだわって開発され、その代償としてやけに不味い事で有名なMREは常温で三年間保存できると言いますから、味は上で保存性能ではほぼタメであるわけで、なるほど採用されるわけです。

 まあ、他社から発売されている類似品のパンの缶詰も一部の痛み易い品目を除いては同等の保存性を実現しているようですが、関連資料を見る限りこのアキモト社は特に商売上手な感じです。

2009年6月17日水曜日

ライトニング2について心配な事

 ここんとこしばらくF-X選定の話が盛り上げっていますね。
小官はライトニング2でほぼ決まったものと思っていますが、やっぱりラプターを売ろうという話が再燃するかと思えば、厚化粧イーグルが安いというが出たり、タイフーンならばブラックボックス無しでライセンス生産できるというが出たり…

結局のところ防衛省がラプターにこだわっているのは、お役人なので一度決まった方針を変えられないからだと思いますが。

そりゃ確かにラプターは良い飛行機です。
おそらくわざと性能を落としたモデルでもライトニング2より性能は高いでしょう。
しかし輸出が解禁され、さらに性能を落とす改造をやっている間にはライトニング2がアメリカ以外の国でも実戦配備に就くでしょう。

厚化粧イーグルは安いかも知れませんが、あれはステルスというよりRCS対策をやっただけの感がありますし、中国みたくデッドコピーを改造して生産する事が禁じ手でなければ日本ならもっといいのが作れそうな気もします。
今更あんなのを買う意味が解りません。

タイフーンはステルスじゃない上に、欧州機という時点で航続距離が短かそうですが、スーパークルーズ可能で最大速度がマッハ2前後という飛行性能は明らかにライトニング2に勝っており、これをブラックボックス無しでライセンス生産できれば、将来心神の研究データを生かして国産ステルス戦闘機に発展できるかも知れません。
…それも今後技本に相応の予算が出ればの話ですが。

以上のようなわけで、限りなく内定に近いと思うライトニング2なんですが、小官あの機体に関しては一つ懸念している事があります。

今更ですがラプターの騒音が小さいのは、強力過ぎるエンヂンを双発で積んでいるので、騒音の元となるアフターバーナーを炊かずに離陸できるからです。
このあり余る推力はスーパークルーズ時にも十二分に生かされるわけなんですが、ライトニング2は単発機であるために推力が不足しているのか、はたまた空力洗練がアレなのかスーパークルーズは不可能で最大速度もマッハ1.7程度と飛行性能ではF2にすら劣る始末です。

某所には「単発のライトニング2は双発のラプターより静かな筈だ」と言う人もいますが、小官はそれは早計なんじゃと思うのです。
そりゃ両者とも同様にアフターバーナーを炊けばライトニング2の方が静かかも知れませんが、ライトニング2が推力不足のため通常の運用で離陸時にアフターバーナーを炊くような機種であった場合、実質的に住宅地へ届く騒音はラプターより大きくなる可能性があります。

…そうなるとこれが空自に採用されたり、嘉手納に配備されたりすると新型機の方がうるさいというセオリーが強化されて平和大好きな人達が大喜びするだろうと考えられるので、これは面白くない話です。

2009年6月10日水曜日

軍拡時代始まる?

 小官は前回の記事で日本が軍拡するかもしれないぞという話を紹介しましたが、昨日のニュースによると去年の時点でなんと中国の軍事費が世界第二位となっておったそうなのです。
琉球新報にもちゃんと載っておりました。

その内容をざっと纏めるとこんな感じです。
==============================
2008年の世界各国の軍事費
第一位 :ジャイア二ズムな例の国  6073億ドル
第二位 :不正コピー大好きな国   849億ドル(推定)
第三位 :おフランス        657億ドル
第四位 :変態紳士         653億ドル
第五位 :おそロシヤ        586億ドル(推定)
第六位 :じゃがいも野郎      468億ドル
第七位 :二次元主義者       463億ドル
第八位 :ヘタリア         406億ドル
第九位 :石油屋さん        382億ドル
第十位 :カレーの国        300億ドル
第十一位:全ての起源が在る国    242億ドル
==============================
…なんか所々に面白くもない嫌味が織り込まれていますが、不発に終わったネタの残骸なので気にせんといて下さい。

こめ国が桁外れに絶大なのはいつもの事として、中国の軍事費が日本のほぼ二倍、韓国のそれが(徴兵制のある国の筈なのに)日本の半分で元枢軸の三ヶ国が400億ドル程で横並びになっているのが興味深いですね。

中国の軍事費が年々10%程度ずつ伸びており、それはこの国の経済成長にほぼ比例した値だというのは前々から言われている事ですが、中国の経済規模って日本と大体同程度だったと記憶しています。

まあ、たしかに軍事費というやつは安全を買うための保険的な部分がありますんで、景気が良くなったから増やして不景気になったら減らすなんてわけにはいかない。
そういう性格のお金をそれを使う国の経済規模と比較して論じるのもアレな話なんですが、それにしてもやはり多いように思われます。

それがアメリカときた日にはその中国の更に七倍ですから、まったく恐ろしい話です。

2009年6月5日金曜日

きゃあ!ぐんくつの音が…

 ええと、しばらくご無沙汰してたオブイェクトの記事ですが…
自民党から、ここ七年間続いていた防衛費の削減を撤回しようという話が出ているようです。

…これはアレですよ。
あっちこっちで平和大好きな人達が「ぐんくつの音が聞こえる」とか「まるで戦前みたいだ」とか言って大喜びするに違いません。
北朝鮮のミサイルと言えばお約束の敵基地攻撃能力の話も出てきた事ですし、これはガチですね。

敵基地攻撃能力と言えば、巡航ミサイルの話が出ているようですが、小官的にはステルス戦闘攻撃機が魅力的だと思います。
敵側の防空網をすり抜けて重要な部分だけをピンポイント攻撃するというのは巡航ミサイルでも可能ですが、人の乗った航空機ならば不測の事態に対応する上でもより確実ですから。
…それにアメリカさんがライトニング2を売りつけに来るっぽいですもんね。

なんて考えてたらまたこんな話が出てきたりします。
ぶっちゃけ米軍内部での派閥争いの影響がこんな形で現れてるという事だろうと思いますが、なんとも悩ましい話であります。

2009年6月3日水曜日

ロッキードの超技術!

宜野湾で暴走族のイメージダウンを狙って「暴走族」を「ダサイ族」と言い換える事になったようです。

こりゃ痛いニュースになるぞと思ってたら、果たせるかな…

記事の内容を読んで頂けると判るかと思いますが、宜野湾署の連中、「よわむし族」とか「ゴキブリ族」とかこれが公僕のやる事とは到底信じられぬほど厨な事を考えてます。
…これって、取り締まる側も暴走族と同じレベルに墜ちてるんでは。

さて、騒音つながりでこないだ来たラプたんの話でも致しましょう。
前もって予告しておきますが、これからやる事は「ネタ」であり、全く信頼に値しないものである事を断っておきます。

まず、以下の琉球新報の記事をお読みください。
2007年2月20日の記事より抜粋============
 北谷町砂辺に設置した騒音測定器の結果によると、F22が同町砂辺から同基地へ着陸した18日、1回目の飛来の午後3時15分ごろに100デシベル超を4回、2回目の飛来の午後4時15分ごろに1回を記録。最大で102.7デシベルを記録した 
2007年2月21日の記事より抜粋============
 嘉手納基地に一時配備されたF22戦闘機が20日、初めて訓練を実施し、90デシベル以上の騒音が発生した。基地周辺首長や住民らは米軍が計画する共同訓練やF15戦闘機が帰還していることなどを挙げ、嘉手納基地の機能強化を懸念、配備反対を訴えた。
==============================
この二つは、以前嘉手納基地に初めてラプたんがやって来て空撮ヲタの人達が大喜びしたときの記事です。

そしてこっちは同じ琉球新報の今年の記事。
2009年1月31日の記事より抜粋============
 嘉手納町が実施している騒音測定調査で、米最新鋭機F22AとF16戦闘機が米嘉手納基地に飛来した1月中旬以降、70デシベル以上の騒音発生回数が激増している事が31日分かった。騒音が最も激しい同町屋良地区では、F22が訓練を開始した14日から29日まで、1日平均109回(2006年度)を大幅に上回る190回以上を記録した日が5日もあった。
2009年5月31日の記事より抜粋============
 今回飛来した4機は北谷町方面から編隊を組んで滑走路上空を旋回後、午後3時28分ごろ相次いで着陸した。旋回時には78デシベルの騒音を記録。F22のほか、空中給油機KC10とKC135も着陸した
ー中略ーーーーーーー
前回、F22が配備されていた2月には騒音発生回数(70デシベル以上)が2008年度平均(1日の発生回数)の110回を大きく上回る約144回を記録した。
==============================
…判りますか?
2007年のラプたんは102〜90デシベル以上の騒音を出していたのに二年後の今年は78〜70デシベルにまで静かになっているのです。

旅客輸送機の高バイパス比ターボファンエンヂンに対して、戦闘機のアフターバーナー付き低バイパス比ターボファンエンヂンはそうそう簡単に静粛性を高める事は出来ないと思われますが、ラプたんの製造元であるロッキードマーチン社は嘉手納町民の苦情に真摯に向き合い新型機の静粛性をわずか二年ほどの間に20デシベル近くも改善したのです。

…一体全体どんなチートを使えばこれほどの短期間にそんなエンヂン本体を根本から見直すような改良ができるのでしょう?
この改良のため、既に生産停止が決まった機種に一体どれほどの人員と技術力が投入されたのでしょう?

以上、ネタを終わります。

2009年5月27日水曜日

やっぱりお前さんか

 半島が何やら騒がしいですね。
南で元大統領が鳥になるかと思えば北は核実験を強行する…

さて、小官はこれまでの記事で

どうせラプたんは買えないんだからさあ、ライトニング2の電装系を魔改造して使おうぜ

空軍の偉い人がラプたんの生産数を伸ばしたいから機密を外して日本やオーストラリアに売るべきだと言っているというニュースが入る。
→そうか、それならすぐにも買いなさい

何だかんだでラプたんの禁輸が解けないうちにライトニング2たんが実戦配備される
→こりゃあ、遂に決まったかもしれん

…といった経緯でFX問題を扱ってきたわけですが、ここへ来てアメさんがライトニング2を猛プッシュしているというニュースが入ってきました。

こりゃどうやら内定出ましたね。

2009年5月20日水曜日

肉食の代償

 日本国内でも遂に新型インフルエンザがパンデミックの様相を呈してきましたね、小官の地元では修学旅行のキャンセルが相次いで観光業界が悲鳴を上げているようです。

さて、そんな中件の新型インフルエンザと洪水の影響でカンボジアではネズミ肉の輸出が好調だとのニュースが入ってきました。
ネズミ肉がごちそうだと言うと、小官としてはどうしても手塚治虫の火の鳥にあった宗教戦争の話で地下に潜った未信者がネズミ料理を食べている場面を連想してしまうのですが…

大丈夫なのかよ?

いやな、さすがに現代では無いとは思うがネズミと言ったらペストを媒介する動物ではないですか。
ちなみにエイズは元々お猿さんの病気だったものが、その猿を食べるために捕まえた人が感染して人間の病気になったと言われています。

 そもそも伝染病というものからして、人類が動物を飼いならすようになった結果、動物から人間に伝染するようになったと聞きますが、牛もダメ、豚や鳥もダメ、かと言ってその他のマイナーな生物の肉もやっぱりリスクがあると。

…まったく暮らしにくい時代になったもんです。

2009年5月15日金曜日

慎んでお悔やみ申し上げます

 ラプたんがまた来ますね。
北朝鮮がこうトサカを立てると、それを威圧するかの如くラプたんがやって来るという実に判り易い構図ですが、こう頻繁に来られると何というか有り難みがねぇ…

 さて、ラプたんをやっつけたアメリカの財政難ですが、今度はABLが撃墜されました。
ABLつうのは例のレーザー砲を積んだ飛行機なのか、それとも空を飛ぶように作られたレーザー発振機なんだかよく判んないような飛行機からレーザーを発射して、上昇中の弾道ミサイルを三国無双しようというアレです。

過去にこいつの実験は順調に進んでいたという話を聞いていただけにこれまた残念なお知らせとなってしまいました。

2009年5月13日水曜日

閣下、それはヤクザ絡みだと愚考します!

 ライトニング2たんが思ったより早く実戦配備に入るようですね。
こりゃついに空自が次に買う戦闘機が決まったっぽいです。
…本音を言えばラプたんの方が欲しかったので微妙ですが。

 ところで空自と言えば、南西航空混成団指令でもあった佐藤守元空将閣下がブログにこのような記事を書いております。

問題の記事の本筋とは若干ズレますが、なんでも90年代に新潟県は柏崎市に作られた「トルコ文化村」にトルコ政府から送られたトルコ建国の父、ケマル氏の像があったのですが…
このテーマパークがバブル崩壊で倒産したおり、心配したトルコ大使館は在日トルコ企業の出資も含めた支援の話を柏崎市の会田洋市長に持ち掛けたのに市長はシカト。
更に製菓会社のブルボンが支援を申し出たのにこれまたシカト。
そして結局、このテーマパークを地元のラブホテル業者に払い下げてしまったというのです。

この件に関してトルコ大使館はせめて寄贈したケマル氏の像を和歌山にある串本のエルトゥール号記念館に移して欲しいと文書で伝えたのですが、市長曰く「売っちまったものに市は口を出せない」

結局ラブホテル業者の所有となった施設は荒れ放題、肝心のケマル像も台座から外され、ビニールシートにくるまれて野晒しとなっているのだそうです。

…民間ですら、風刺漫画が気に喰わないと外国からクレームが付いただけでアニメの放映が中止されるというのに、この厚かましい態度は一体何なんでしょうね。

で、この件に関して元空将閣下は
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「日本の評判が落ちる」のを「むしろ望んでいる」ように見える会田市長はおそらく日本人ではあるまいと思う。だから平然と日本が「世界に恥をさらす」のを喜ぶのであろう。
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と仰っていますが、小官はこの件にはもう少し別の事情があったのではないかと愚考いたします。

ラブホテル業者…という事は多分ヤクザ屋さん関連でありましょう。
会田市長が全共闘の出身で心情は社民党と同じというのは、たしかにファクターの一つではあるかも知れませんが、そうでなくともヤクザ絡みの筋に売ってしまったものを後になってから返せなんて、恐ろし過ぎて言えないわけです。

「だったらなんだってわざわざそんなところへ売ったんだ」と言われればその通りですが、柏崎市と言えば例の原発がある所です。
そして小官は原発利権にはヤクザ屋さんが深く絡んでいるという噂を耳にした事があります。

つまり、市長もちょっとアレな人かも知れませんが、柏崎市自体が
「ほとんどヤクザ屋さんの物」であるために、このような事態になったという可能性も否定できないと考えます。

…まあ、どのみち推測の域を出ませんので、より詳細な情報が明かされればこの見解は撤回せざるを得ませんが。