このブログを検索

2013年7月24日水曜日

風立ちぬを観てきました

 今週は選挙でよりにもよって前回有権者を愚弄するような発言をしたあの山本太郎が当選したり色々と申したいこともあるのですが、宮崎駿監督の新作について話します。

八月号の文芸春秋の対談記事で
====================
彼を描かないと、この国のおかしさが描けないと思ったんです。僕は、ある時まで「戦前」という時代を想像できませんでした。目の前は焼け野原だらけで、あれだけの人が死んだ。南方や中国では悲惨なことをいっぱい起こしたことを知ると、あまりにもこの国が屈辱的に感じられ、戦前の日本は”灰色の世界”としか思えなかった。そんな中で、人はどうやって生きたのか。自分の父親はいい時代だったと言っていました。どうもうまく噛み合わなかったんです。それと、ヒコーキ好きや、架空戦記もののマニアの手から零戦をとりもどしたかったんです。
====================
・・・ぬぁ~んてのたもうているものですから、ほうほう自分もヒコーキマニアの架空戦記作家のくせにいい加減引き際を誤った自然崇拝無政府主義者の爺さんが今度は昭和モダンの時代をどう歪曲してくれたのかなと思い、更にこれがまた戦前には飛行機一つ作れなかった連中がジブリは戦争を美化している!と喚き散らしてる話を聞いては板挟みご苦労様ですと、否応なく映画の内容についての期待が膨らんでいったわけです。

で、実際に見てきた感想を申し上げると
「ヤマなし、オチなし、意味なし」
いやな、本当に堀越技師をモデルとした架空の技術者の人生を妄想を織り交ぜて散文的に描いてるだけで、物語としての起承転結ってもんが無い。

こりゃ金取って映画館で見せるモノじゃなくて某弥栄堂みたいに仲間内でコッソリ作ってニコニコやようつべに上げて楽しむべきものだろ、事実同人誌そのものなんだから。

あたしゃネット右翼だけど自虐史観だ戦争美化だ云々以前にまずそこんところの映像作品としての構成が気になったね。

 あと、もう一つ言えば夢の世界がどうとか言って堀越技師を勝手にカプロニ伯爵の弟子にしちゃった件。
この伯爵がやってきたお仕事というのは映画にも出てきた主翼が九つある飛行艇に限らず筒状の胴体にプロペラを埋め込んだ実験機など英国面に肩までどっぷり浸かったシロモノで、これはたしかにやけに仰々しいゴテゴテしたメカを好む宮崎監督の趣味ではあるかもしれませんが、どちらかと言えばむしろグラマン臭がするほど実直で野暮ったい七試艦戦でデビューし、それが散々な結果に終わった結果軽量化と流線型の鬼と化していった堀越技師の流儀とははっきり言ってベクトルが正反対です。

・・・それを美しいというテーゼで強引に纏め上げて片づけちゃうのは収拾の仕方としてあまりにも乱暴ではないでしょうか。

まあ、そんなにどうしても宮崎駿監督の同人誌に目を通しておきたいってんなら観れば?
・・・だけど小官は「二度は観ないわ~!」
そういうアニメでありました。

0 件のコメント: